【表紙】(写真)
特別支援学校としては全国初、単独チームで東京都高野連入りを果たした青鳥特別支援学校ベースボール部。日々練習に励み、夢の甲子園出場に向け挑戦し続けています。写真は久保田浩司先生をはじめとする顧問の先生と部員との気合のこもった一枚。
P.2 ●社会福祉NOW
住まいを失うLGBT当事者を支える LGBTハウジングファースト・東京
P.4 ●み~つけた
がんに影響を受けた人たちの第二のわが家
認定NPO法人 マギーズ東京(江東区)
P.5 ●連載 身寄りのない人を受け止められる社会に【第5回】
「この人なら話していいや」と思える人をまずひとり
特定非営利活動法人楽の会リーラ 副理事長/一般社団法人ライフプランニング・リレーションズ 理事長 阿部 達明 さん
P.6 ●福祉のおしごと通信 ~つなぐ眼差し~
仕事の枠から一歩はみ出してプラスαの知識を
社会福祉法人 荒川区社会福祉協議会 福祉サービス課 地域福祉支援係/在宅福祉係 総括係長 三宅 正臣 さん
P.7 ●Information
東京の寄附のカタチ/マンスリーニュース/ 東社協の本
P.8 ●くらし今ひと
ひたむきに野球に取り組む子どもたちの姿が私の喜び
東京都立青鳥特別支援学校 主任教諭/ベースボール部 監督 久保田 浩司 さん
【目次】
1社会福祉NOW
2み~つけた
3連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第5回
4福祉のおしごと通信 ~つなぐ眼差し~
5Information(東京の寄附のカタチ/マンスリーニュース/ 東社協の本)
6くらし今ひと
--1【社会福祉NOW】
住まいを失うLGBT当事者を支える
DVや家族との断絶など、さまざまな要因が重なり住まいを失うLGBT(*)当事者がいます。一方、既存の支援があっても安心して利用できない現状もあります。「LGBTハウジングファースト・東京」への取材から、誰もが安心して住まい、支援につながるために福祉に求められる視点を考えます。
「制度がある」だけでは支援につながらない
2018年に設立された「LGBTハウジングファースト・東京」では、中野区に個室のシェルター1室を設け、さまざまな要因により住まいを失ったLGBT当事者への居住支援を行っています。活動を始めたきっかけは、それぞれの現場で相談・支援に携わっていたメンバーが、LGBT当事者が生活困窮に陥った際に安心して利用できるシェルターや施設が少ないことに課題を感じたことでした。クラウドファンディングで資金を集めて活動を始め、これまで約25人を受け入れてきました。
支援につながる人の背景はさまざまですが、同性パートナーからのDVや家族との断絶、差別や偏見による就労の難しさなど、複数の要因が重なって生活が困窮していくというケースがほとんどです。近年は、親からLGBTであることを理解されず家を離れた10代後半から20代前半くらいのユース世代や、自身の性的指向が非合法とされる国から日本へ逃れてきた難民からの相談も増えているといいます。
特にユース世代の場合、LGBTであることだけが家を離れる理由とは限りません。もともと親子間のコミュニケーションがうまくいっていなかったり、虐待や不適切な養育があったりすることに加え、性的指向や性自認をめぐる問題が重なることがあります。また、親に拒絶されることへの不安だけでなく、「心配をかけたくない」と自ら悩みを抱え込む人もいます。
こうした人たちにとって大きな壁となるのが、「制度はあっても利用しにくい」という問題です。生活困窮者向けの施設やシェルターなどでは、相部屋となることも少なくありませんが、たとえば同性パートナーからDVを受けた人や、幼少期から男性による暴力・虐待を経験してきた男性にとって、再び男性との集団生活を求められること自体が大きな負担となります。また、トランスジェンダーの人が戸籍上の性別を変更していない場合、性自認とは異なる性別の施設を案内されることがあります。戸籍上男性でも、女性として生活している方が男性用施設を利用することには現実的な困難がありますが、かといって女性用施設での受け入れも容易ではありません。つまり、「支援制度が存在すること」と「その人が安心して利用できること」は必ずしもイコールではないということです。
さらに、LGBT当事者にはそもそもSOSを出しにくい人もいます。認定NPO法人ReBitは「LGBTQ医療福祉調査2023」で、当事者の95.4%は「行政・福祉関係者にセクシュアリティについて安心して話せない」と回答したと公表しています。相談することで性的指向や性自認をアウティング(本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること)されるのではないかという不安や、これまで助けを求めても理解してもらえなかった経験が積み重なることで、「相談してもどうせ無駄だろう」と支援そのものへの期待を失っていることがあります。
安心できる住まいを生活再建の出発点に
こうした課題を背景に、「LGBTハウジングファースト・東京」が重視しているのが「ハウジングファースト」の考え方です。住まいの確保に先立って生活上の課題の解決を求めるのではなく、まず安心できる住まいを確保し、そこを起点に生活を立て直していくという考え方です。ただし、ここでいう「安心できる住まい」とは、単に雨風をしのげる場所や、一人で過ごせる個室があればよいということではありません。暴力や差別によって傷ついてきた人にとっては、身の安全が守られることに加え、性的指向や性自認を否定されることなく、自分らしく過ごせることも安心につながります。「ここにいて大丈夫だ」と感じられる環境で過ごす時間があることで、健康を整え、福祉制度を利用し、その後の暮らしについて考える余地が生まれます。
しかし、新たな住まいが見つかればそこで支援が終わるわけでもありません。新たな暮らしを始めても、そこで誰ともつながらず孤立してしまえば、「地域で暮らす」ことには結びつきません。同団体では、シェルターで過ごす期間を通じて、「困ったときに頼れる人がいる」「信頼できる人もいる」と感じてもらうことも大切にしています。また、同団体だけで相談者を支えるのではなく、福祉事務所や保健所をはじめとする地域のさまざまな社会資源との連携も大切にしています。LGBT当事者からの相談だからと、支援を当事者団体だけに委ねるのではなく、一人の市民として、誰もが利用する地域の社会資源を当たり前に利用できることが重要です。地域とのつながりが途切れている場合には、その間をつなぎ直し支援の輪を広げていくことも同団体の役割だと考えています。
住まいを地域で暮らすための「セキュアベース(安全基地)」にするためには、物理的な住居だけではなく、身近に相談できる人や利用できるサービス、地域とのつながりも必要なのです。
支援者の「当たり前」を問い直す
LGBT当事者への居住支援から見えてくるのは、個々の支援制度だけの問題ではありません。社会や福祉制度の多くは、男女という二つの性別や、異性の夫婦とその子どもからなる家族を前提としてつくられてきました。その前提から外れる人が困難に直面したとき、既存のセーフティネットでは支えきれないことがあるのです。
そのため同団体は、一般の福祉・医療関係者にLGBT当事者について知ってもらうことも重要だと考えています。近年、「LGBT」という言葉自体は広く知られるようになりましたが、一方で、知識を得るだけでなく、支援者自らの「当たり前」を振り返ることも求められます。例えば、「戸籍上男性だから男性用施設へ」という対応の背景に、身体の性別をその人の本質と捉える考え方はないか。同性のパートナーと暮らすカップルが地域にいることを想定しているか。支援者自身が持つ性別や家族に対する「当たり前」が、支援の選択肢を狭めていないかを振り返る必要があります。
そしてこれはLGBT当事者だけに限った話ではありません。家族がいても頼れない人、難民として日本で暮らす人、性暴力を受けた男性など、さまざまな事情や困難を抱えながらも既存の制度や枠組みでは十分に対応しきれず支援が届きにくいという課題があります。福祉・医療関係者に求められるのは、目の前の人がなぜ既存の制度を利用しにくいのか、その背景に社会や支援者側の前提が影響していないかを考えることです。
誰もが安心して住まいを確保し、困ったときには身近な誰かにSOSを出せる。そのためには、制度を用意するだけではなく、支援者自身が持つ「当たり前」を問い直し、一人ひとりが安心して支援につながれる環境をつくっていくことが求められます。
* 性的マイノリティを表す呼称にはさまざまなものがありますが、本記事では、取材先の団体名に合わせて「LGBT」と表記しています。
(写真)
LGBTハウジングファースト・東京
(左から) 前田 邦博さん、石坂 わたるさん、金井 聡さん、大江 千束さん、古堂 達也さん
(QRコード LGBTハウジングファースト・東京)
--2【み~つけた】
がんに影響を受けた人たちの第二のわが家
江東区 認定NPO法人 マギーズ東京
癒しの空間で不安に寄り添う
日本では生涯で2人に1人ががんに罹患するといわれ、医療技術や治療薬の発展により「不治の病」からがんと「ともに生きる」時代に突入しています。認定NPO法人「マギーズ東京」は、がん経験者やその家族、友人など、がんに影響を受けた人たちのサポートを行う施設です。
センター長の秋山正子さんは、1990年代から訪問看護でがん患者の療養に携わってきました。その間、がん医療の中心が入院治療から外来治療へシフトしていく中で、在宅での治療や療養生活についてなど、悩みや困り事を相談できず、ギリギリのところで訪問看護につながる患者をたくさん見てきたといいます。ある学会でイギリスに本部がある「マギーズセンター」の存在を知った秋山さん。「誰でも気軽に利用できて、専門職が親身になって話を聞き、相談者が前へすすむためのサポートを行っているという理念に共感し、日本にもつくりたいと考えました」と語ります。2015年にNPOを立ち上げ、2016年10月にマギーズ東京がオープンしました。
マギーズ東京の特徴のひとつが「建築」と「環境」。著名な建築デザイナーが担当し、ここでは温かみのある木材をふんだんに使用。どの部屋にも窓があり、可動式で個室になったり、開放感のある空間にもなるように設計しています。大きなダイニングテーブルや色とりどりのソファとイスがあり、渡り廊下には緑豊かな坪庭が広がり、来訪した人たちの心を癒す場所です。
そばで話を聞いてくれる友人のような存在
相談を受け付けるのは、キャンサーサポートスペシャリスト(以下、CSS) と呼ばれる専門職です。がん種や病期は問わず予約なしで利用でき、相談時間の制限もありません。CSSは白衣や名札を使用せず、友人のように相談者の横に座り、親身になって話を聞きます。相談者が話し出すまでむやみに聞き出そうとせず、少しずつ対話を重ねていき、その人が持っている“自分の力” を引き出していきます。秋山さんは「家にいるとなかなか本音が出せないというご夫婦がいらっしゃったときは、まず別々にお話をお聞きして、CSSが間に入りながら最後には一緒に話して帰られたことがありました。病院でも家でもない、ひと息つける第二の家の重要性を実感しています」と話します。
グループプログラムは、すべて無料で参加できます。「こころのリラクセーション」「脱毛・頭皮ケア」などイギリスの本部で行っているプログラムをもとに、さまざまなバリエーションを用意。秋山さんは「似たような境遇の方の話を聞くうち、病気への考え方や療養への向き合い方が変わる方もいらっしゃいました。当事者同士のつながりが前向きな力を引き出すエッセンスになっています」と話します。
全国へサポートの輪を広げたい
オープンして10年が経ち、次の10年に向けて新しい体制を検討しているマギーズ東京。秋山さんは「この辺りは国立がんセンター中央病院やがん研有明病院があり、全国から患者さんがいらっしゃいます。私たちのニーズも全国にあると考えていて、質を担保しながら各地にマギーズを広めていくのも使命だと思っています」と話します。
マギーズ東京はこれからも、がんに影響を受けた人たちの不安やとまどいに寄り添い続けます。
(QRコード マギーズ東京)
--3【連載 身寄りのない人を受け止められる社会に 第5回】
「この人なら話していいや」と思える人をまずひとり
ひきこもりの人は一般に人や社会に傷つき、社会との関わりを避ける傾向があると言われています。自身もひきこもり経験があり、長年当事者の支援に奔走してきた阿部達明さんの話からひきこもりの人にとっての“身寄り”の考え方を紐解きます。
阿部 達明さん
特定非営利活動法人楽の会リーラ 副理事長/一般社団法人ライフプランニング・リレーションズ
(写真 阿部 達明さん)
「ひきこもりの人には矜持がある」
ひきこもりの共通項は何だろうと当事者の人たち10人くらいと話し合って、“人や世の中を信頼できない”ことではないかとの話になりました。過去に嫌な経験をしたり、マネーファースト、自分ファーストの今の社会に取り込まれたくないと考えてのことです。思い切りがいいのか、家族や私以外の連絡先をすべて消す人もいます。
最初は渋々面談に来ていた人が、何十回と話をする中で、ふと「こんなことがあった」と話してくれることがあります。よく聞くと「そりゃあ、学校や社会が嫌になってひきこもるよな」という体験を話してくれます。それを寄り添うというのでしょう。ひきこもりの人たちからは「阿部さん、以心伝心ですよね」とよく言われます。そうして関係を築くことで「この人は自分の味方になって一緒にいてくれるだろう」と信用してくれて、それが信頼につながっていくのではないかと思っています。
よく、「この人は○○(関係機関など)とつながっているから大丈夫ですね」という専門職がいますが、ハコモノの話ではないですよね。そこに信頼できる人がいるかどうかであって、つながっていることとSOSを出せることとは違うと思います。一般社会に頼りたくない人たちなのですから、私たちを信用してくれて信頼できると思ってもらえて、段々と周波数が合ってきてようやくSOSを出せたり頼ったりすることができるのだと思います。
相手の価値観に立って相手の世界を認める
親や支援者らが「ひきこもりの子どもらに話しかけても答えてくれない」といいますが、答えない理由は何でしょう。おそらく、私たちが求める答えと自分の現状にズレがあると自覚している中で嘘をつけないからではないでしょうか。
親や支援者は自分がいる【一般社会】が正しくて、ひきこもりの人がいる【ひきこもり社会】が間違っていると考え、一般社会に連れ出そうとします(左側の図)。しかし、ひきこもり社会がダメなわけではなくて、「あなたのことを理解したいんだ」という気持ちでひきこもり社会に歩み寄ること。そうするとひきこもりの人も歩み寄ってきて、話ができるのだと思います(右側の図)。
なお、よく「効果的なテクニックはありますか」と聞かれますが、「魔法の言葉はありません。私のノウハウを真似すればいいというものでもありません」と親や支援者に伝えています。結局人と人なんです。
お互いに助け合って一般社会と折り合いをつける
何十回と話をしてひきこもりの人の「今、どう思っているのか」を受け止めていく。そして「これからどうしていこうか」という段階になったら、ライフプランニング・リレーションズと私たちが呼んでいる視点での支援がポイントになってくると考えています。
ライフプランニング・リレーションズ(三位一体のサポート)
①ファイナンシャル・プランニング(経済的な側面)
②キャリア・プランニング(精神的な側面)
③リレーションズ・プランニング(人間関係の側面)
※詳細は「あきらめない ひきこもりの老後(法研)/阿部達明氏著」をご参照ください。
障害年金の受給や生活保護制度の利用、不動産があればその有効活用(売却等)により生活する手立てを考えるとともに、せめて関わる人たちだけでもお互い助け合って生きていこうと話しています。ひきこもりの人たちと一緒に、なんとか一般社会と折り合いをつけられるように日々模索しています。
親や支援者側がひきこもりの人の考えを理解し、「この人なら話していいや」と当事者の人たちから思われること。そこから、信頼できる身寄りのような関係性、取材の中での阿部さんの言葉を借りるなら“半分家族”という人をまずひとりつくることが大切なのではないでしょうか。
--4【福祉のおしごと通信~つなぐ眼差し~】
連載の最終回を飾る今回は、社会福祉協議会(以下、社協)歴24 年の三宅正臣さんに、大切にしている仕事への姿勢やこの仕事のやりがいなどを伺いました。
人とのつながりが財産になっています。
社会福祉法人 荒川区社会福祉協議会
福祉サービス課 地域福祉支援係/在宅福祉係
総括係長 三宅 正臣さん
(写真)
仕事の枠から一歩はみ出してプラスαの知識を
人の話を聞く福祉の仕事へ
学生時代、人の相談にのることが多くて、カウンセラーとか人の話を聞くような仕事に憧れを抱きました。それを仕事にできる分野が福祉だと思い至り、福祉系の大学に進学しました。就職先を考える中で「研鑽していかないとやりたいことにたどり着かない」と思い、相談員職のような仕事がいいのかなと考えました。人の話を聞くためにはいろいろな経験をしなくてはと思い、別の仕事をしようとしていたのですが、縁あって社協に就職しました。社協が運営する高齢者施設のデイサービスに配属となり計10年携わり、ケアワーカーと相談員として介護現場の経験を積みました。その後、有償家事援助事業やファミリー・サポート・センター事業、社協広報や社協が運営する障害者施設の所長職等、さまざまな業務に携わってきました。
目の前の一人ひとりと向き合うことが「福祉」
幅広い業務に携わる中で、東日本大震災の避難者支援の経験が、社協の職員として視野を広げるきっかけになりました。避難者一人ひとりと向き合う中で、その人が経験した震災という背景に関心を持ち、より深く知りたいと思うようになりました。無知は罪だと思って、改めて福島県にある東日本大震災・原子力災害伝承館に足を運びました。生きた情報に触れて、知って。それが、その人に少しでも寄り添うことにつながるのではないかと思いました。目の前の一人ひとりと向き合い、その人を知って理解することが「福祉」であり、一人ひとりへのケースワークが積み上がった集合体が、ひいてはコミュニティワークを形成していると確信しています。
仕事の枠を一歩はみ出す勇気を持ってプラスαの知識を得ることが、自分の仕事の芯になっています。人生の中で働く時間が圧倒的に長いのだから、その働く時間を楽しみながら充実させたいし、それは目の前の住民や職員に対しても同じ。お互いを思いやる時間・空間・会話・笑顔をつくりたいと思っています。
自由な発想で失敗を恐れずトライ
最初に配属された高齢者施設を利用していた方のヘルパーさんと、月日を経て、地域交流サロンの運営者として再会することがありました。一つの仕事のつながりから新たなつながりが生まれていることを実感します。仕事を一つの地域で長く継続したからこそ見えてくる景色であり、積み重ねた年数が信頼につながっているのかなと思います。自分を応援してくれる味方を職場の外に増やしていくことが、いざというときに頼ってもらえるという意味でも社協の役割ともいえます。
係長という立場から、若い職員には、「失敗してもサポートするから、まずは自由な発想で取り組んでトライしてみよう」とすすめています。いろいろと苦労もあるけれど、「この仕事は笑顔をもらえたり、ありがとうと感謝されることが多い。そういうやりがいを感じられる仕事だよ」と伝えていますし、もっと多くの方に伝えたいです。
「みらいスイッチ助成事業」は、遺贈寄附の使途として、ひとり親家庭の子どもに直接夢を届けるしくみです。子どもの夢を見守り、寄附者の思いを地域に還元する形で活用しています。
一から事業を組み立て実施まですすめるのは、頭を使いますがやはり楽しいですね。(写真 みらいスイッチ助成事業)
--5【Information(東京の寄附のカタチ/マンスリーニュース/ 東社協の本)
東京の寄附のカタチ
ポケモンカードで一緒に遊ぼう〔体験寄附〕
「トレカで子どもを笑顔にする会」様より、児童養護施設にポケモンカードをご寄附いただきました。会の皆さんが施設を訪れ一人ひとりに手渡しし、子どもたちは大喜び。その後、一緒に遊ぶ「体験寄附」付きで、会場は熱気に包まれます。初めての子は教えてもらいながら夢中になって手札を出し、ポケモンプロの子どもの熱い戦いには声援が飛びます。カードという物以上に、心躍る時間を過ごすことができました。
※東京善意銀行では「体験寄附」に力を入れています。
(写真 「そう来たか!」会の方と対等な戦いにうれしそうな子どもたち)
(QRコード 東京善意銀行へのご寄附はこちらから▶)
(東京善意銀行 検索)
マンスリーニュース 2026.7.28 ~ 8.13
ピックアップ(7/28 8/13)地震と豪雨、相次ぐ災害
7月28日、熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県で最大震度7を観測した。また、8月13日には千葉県で記録的な豪雨となり、各地で浸水などの被害が発生した。猛暑が続く中で相次いだ災害。避難生活や支援活動では、暑さへの対策も大きな課題となっている。
(7/29)社会保障給付費が3年ぶりに増加
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、2024年度の社会保障給付費が前年度比2%増の138兆3,019億円だったと発表した。部門別には、「年金」が最も大きく、前年度比2.6%増の57兆8,528億円だった。老齢年金給付の増加が要因である。介護や子育てなどの「福祉その他」は6.2%増の35兆6,436億円。介護報酬の改定等が影響した。
(7/31)都、子ども政策で強化方針
東京都の子供政策連携室は、「チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針2026」を公表した。新たな取組みとして子どもがSNSを安全・安心に活用できる環境の整備や、子どもを性暴力から守るため、総合的な対策の推進などが盛り込まれた。
東社協の本
改訂版社会福祉法人会計の実務 第1編 月次編
「令和2年版社会福祉法人会計の実務 第1編 月次編」の改訂版です。
◆規格 A4判/607頁
◆発売日 2025.6.30
◆ 定価 7,700円
(本体7,000円+税10%)
(写真)
改訂版社会福祉法人会計の実務 第2編 決算編
「令和2年版 社会福祉法人会計の実務 第2編 決算編」の改訂版です。
◆規格 A4判/440頁
◆発売日 2025.12.01
◆ 定価 5,500円
(本体5,000円+税10%)
令和8年熊本地震に対する支援金・義援金情報
7月28日からの地震により被災されたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。以下のとおり受け付けています(9月1日時点)。詳細は受付団体のホームページをご確認ください。
支援金(被災地で活動するボランティア団体等を支援)
■ 熊本県社会福祉協議会〔災害ボランティア活動支援金〕…9月30日まで
■ 中央共同募金会〔ボラサポ・令和8年熊本地震〕 …2027年3月31日まで ほか
義援金(被災者を支援)
■ 日本赤十字社〔令和8年熊本地震災害義援金(熊本県)〕…10月30日まで
■ 熊本県共同募金会〔令和8年熊本地震義援
金〕…10月30日まで ほか
東社協が発信する災害関連情報
(QRコード 東社協ホームページ(災害関連情報))
(QRコード 東京ボランティア・市民活動センター)
10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まります!
10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まります。共同募金へのご寄付は、高齢者や障害者、子どもなどを対象とした民間の社会福祉事業を通じて地域福祉の充実に活用されています。令和8年度は、80回目の共同募金運動となります。共同募金会では、皆様の「たすけあい」の気持ちを大切に、本運動の広報・啓発活動の強化に努めてまいります。皆様の運動への共感を第一とした変わらぬご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
(写真 告知バナー)
(QRコード 東京都共同募金会ホームページ)
--6【くらし今ひと】
ひたむきに野球に取り組む子どもたちの姿が私の喜び
青鳥特別支援学校にベースボール部を創部し、知的障害のある子どもたちと甲子園出場に向け挑戦を続ける久保田浩司さん。久保田さんが特別支援学校で野球を教えるようになったきっかけや子どもたちへの思いなどについてお話を伺いました。
久保田 浩司さん
東京都立青鳥特別支援学校 主任教諭 ベースボール部 監督
八王子市生まれ。都特別支援学校の教諭に採用され、17年にわたりソフトボール部監督として指導。教諭の傍ら務めていた社会人野球クラブチームの監督を経て2021年に東京都立青鳥特別支援学校に赴任。2023年にベースボール部を創部し、2024年には特別支援学校として全国初となる単独チームで公式戦に出場。
(写真)
ある生徒との出会い
大学生の時に高校野球の監督になって甲子園をめざしたいという夢が生まれ、教員の道へ。しかし実際に採用されたのは養護学校(現:特別支援学校)でした。当時は「障害のある子たちに野球を教えることは無理だな」とショックを受けたのを覚えています。
赴任して3年目に転機が訪れます。あるダウン症の生徒が私に「キャッチボールを教えてくれ」と言ってきたのです。時間はかかりましたが少しずついい球を投げるようになったので「ナイスボールだ!」と思わず言ったら、その子が満面の笑みで喜んでいて、その姿に衝撃が走りました。今まで障害のある子どもに野球は無理だと思い込んでいたけれど間違いだったと。「障害があっても野球はできる。この子たちに野球を教えたい」と思ったのが最初のきっかけです。その後、いくつかの学校へ異動を経験しながら17年ほど特別支援学校でソフトボールを教えました。教員をしながら社会人野球クラブチームの指導者も約13年間務めました。
クラブチームの指導者を後進に譲り、同じ頃に青鳥特別支援学校への異動が決まりました。「夢だった高校野球に挑戦するには今しかない」と密かな想いを持ち続けていた頃、全国の特別支援学校に通う子どもたちに野球をする機会をつくりたいと思い、2021年に「甲子園夢プロジェクト」を発足。全国から集まった11名の子どもたち全員、野球が上手で衝撃を受け「障害があるというだけで機会に恵まれず、こんなに上手な子たちが全国に埋もれている。自分が先陣を切って環境を変えていかなければ」と思い至り、自分のフィールドである青鳥特別支援学校でも硬式野球のチームをつくり、甲子園をめざすという私の新しい挑戦が始まりました。
硬式高校野球の監督人生がスタート
最初は3名の生徒が入部をしてくれましたが、野球は大好きだけど基本的な野球のルールはよく分かっていない子ばかり。まずは硬式野球の基礎をとことん教えていきました。「甲子園をめざすなら都の高等学校野球連盟(以下、高野連)加盟は必須。この実力で大丈夫か」と逡巡していましたが、また転機が訪れます。部員の一人がある時、新品のグローブを持っていたんです。硬式野球のグローブは高価なので「どうしたの?」と聞くと「野球がしたいから自分のおこづかいで買いました」と言うのです。実力は伴っていなくても、それだけの意欲があるなら挑戦してみようと思い、都の高野連加盟に向けて動き出しました。そして2023年5月。念願の都高野連に加入が認められました。
子どもたちと夢を追いかけ続けたい
これまで節目節目で生徒と出会い、背中を押してもらいながら指導の道に邁進できた野球人生でした。私にとって子どもたちの笑顔は何よりの喜びですし、子どもたちにはずっと野球を好きでいてもらいたいですね。
子どもたちに指導する時に心がけているのは、分からないことを前提にして、どうしたらできるようになるかを根気よく考えること。「分からないのが当たり前」という気持ちで、うまくいったら褒める。これは常に心がけていることです。目標は“とにかく1勝”。甲子園出場を夢見て、日頃の努力は怠らず、子どもたちと楽しみながら野球を続けていきたいです。
(写真 ピッチングのフォームを教える久保田先生)
以上で、福祉広報2026年9月号を終わります。
