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東京都社会福祉協議会

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運営施設の複数化に伴う運営体制の整備

法人情報・改善テーマ

建物の外観

法人情報

主な事業:保育所、一時保育事業
地域:市町村部
施設数:3施設
職員:正規職員53名、非常勤職員36名
依頼した専門家及び費用:コンサルタント、約54万円

改善テーマ

複数施設における法人理念の明確化と人材育成

取組みのきっかけ

  • 長い間、1法人1施設で保育に取り組んできたが、待機児解消等に貢献するため、数年前に指定管理施設の受託運営を行い、その後、他市に3園目となる保育所を開設した。
  • 3園の体制に急速に拡大する中で、指定管理施設には従来の公立園時代の保育方針等が残っており、職員数が増加し、多様な意識を持つ職員による保育所運営となってきていた。そのため、法人及び各園の理念・保育方針等を職員間で共有しにくい状況ともなっていると感じていた。
  • 「よりよい保育に向けて、自分たちが何を目指しているのか」を言葉として明確にしていく必要があると考え、法人・各園の理念・方針の再確認・明確化、さらにそれを実現していく人材育成、法人としての運営体制の整備に取り組む必要が出てきた。

課題

指定管理施設における理念・方針の明確化と人材育成、法人内の連携体制

取組:モデル園における職員像・保育目標の明確化と3園の職員による会議等の開催

実践
  • 1法人1園の時にも、職員参加で理念や方針を作り上げていったことから、指定管理施設をモデルとして、「望ましい職員像」について、さらに「望ましい職員になっていくにはどうしたらよいか」について、職員会議で説明ののち、職員から付箋で意見を集めた。経験の浅い職員とベテランからなるチームでその整理・分析を行い、結果を職員会議で全員にフィードバックを行うという手順を踏み、職員参加のもと、自分たちが目指す「職員像」を再確認した。さらに、「保育目標」の明確化も同様に行った。
  • また目指す方針と日々の業務を連動させるため、これまでは年度初めに担当者が作成していた「年間カリキュラム」について、前年度末に1年間を通じて担当した職員が、子どもの発達段階等を踏まえてたたき台を作成し、翌年度の担当者がそのカリキュラムの精度を高めていくこととした。
  • 3園がそれぞれに運営を進めていくと、どうしてもズレが生じてくる。園長会のほかに、主任会議、保育会議、調理会議など、3園の職員が月1回程度集まり、それぞれの取組を意見交換する場を作り、法人として3園が同じ方向をめざし保育に取り組んでいくことができるようなしくみを整備した。
  • 取組みを進めるにあたっては、適宜、コンサルタントのアドバイスを得るとともに、法人に内容を常に報告し共有していった。
成果
  • 保育目標を明確化していく中で、法人の保育理念や方針について、職員の間で再確認・再認識していくことが出来た。

成果の一つである「分野別キャリアアップ項目」

成果の一つである「分野別キャリアアップ項目」

  • また、望ましい職員像の検討から、分野別キャリアアップ項目、職務行動評価等の作成につながった。特に分野別キャリアアップ項目では、経験年数によって必要とする業務範囲と目標項目が明確化されたことは、職員にとっても、今後のキャリア・ビジョン形成にたいへん有効と思われる。
  • 「年間カリキュラム」の作成は、これまで、年度初めに新たな担当者が作成していたため、前年度の子どもの育ちを反映しきれていないことがあった。当該年度の担当者が前年度のカリキュラムの内容を振り返り次年度につなげることによって、保育の質の向上と効率化が図れた。またこのことにより、職員の意見を反映し、年間カリキュラム表そのものの見直しにもつながった。
  •  3園による保育会議等の定例開催は、法人として同じ方向をめざした保育所運営につながっている。
まとめ(改善のポイント)
  1. 法人理念・運営方針の明確化は職員参加で検討を行うことによって自分たち自身のものとして体得し、日々の実践につなげることができる。
  2. 複数施設が法人としての一体感をもって質の向上を目指して運営するには、職層・専門職ごとの情報や課題共有等の意識合わせの場が法人としての体制整備に寄与する。
改善を行った感想

職員は法人の方針等を聞く機会はあったが、日々の保育に忙しい中、どこまで理解できていたかと思う。取組の当初は戸惑いもあったかもしれないが、この間の取組を経て、当初の課題であった法人としての理念・方針の明確化・共有はもちろんのこと、職員の意識がまとまり、様々な取組に対して、積極的な意見が出されるようになったことも大きな成果の一つと思う。

今後の課題
  • 今回モデル的に取り組んだ園の業務別・分野別の成果を法人全体の成果として、3園の取組につなげていければと思う。
  • 今後は、今回の成果を踏まえて、人事考課項目との整合性の検証などにも取り組んでいきたい。

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