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東京都社会福祉協議会

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定年後の再雇用に関する制度の構築

 

法人情報・改善テーマ

法人情報

建物外観

主な事業:障害福祉サービス(障害者支援施設、共同生活援助、就労継続支援B型)、グループホーム、喫茶
地域:区部
施設数:5施設
職員:正規職員68名、非常勤職員53名
依頼した専門家及び費用:社会保険労務士、約50万円

改善テーマ

定年後の再雇用者の処遇制度の構築

取組みのきっかけ

法人制度改革をきっかけに、法人としての組織ガバナンスを考えた際、人事管理制度の整備が不十分であり、大きな課題となっていた。その中でも特に、定年を迎えようとする職員が複数人想定されるにも関わらず、再雇用に関する制度が十分に整っておらず、直近の課題となっていった。役職員の処遇に関わる内容となるため、検討を進めるには第三者である専門家の助言が必要と考えた。

課題

定年後再雇用者の処遇制度・運営体制の構築

取組:定年後再雇用に関わる制度の再構築および制度運用のための審査会の設置

実践
  • はじめに、社会保険労務士の先生より以下3点のアドバイスを得た。
  1.  定年後再雇用者について複数のコースを設定することで、多様な働き方を選択できるようにすること
  2.  コース毎に給与・賞与・退職金の取扱いや、評価制度の運用方法等、人事制度全般の取扱いについてルール化すること
  3.  正規職員・非正規職員との整合も図りつつ適切な制度とするため、再雇用職員のみならず、正規職員・非正規職員の規程も同時に整備すること
  • 半年間にわたって月に1回程度、社会保険労務士の先生を訪問してアドバイスを得て、「定年後再雇用制度実施要項」の作成と「再雇用職員就業規則」の見直しを進めた。

 PDFファイル定年後再雇用制度 実施要項(322KB)

  • 定年は60才、再雇用は65才までとした。
  • それまでの「再雇用職員就業規則」には、就業形態として常勤と非常勤の2つの選択肢があるのみで、担当する業務内容についての記述も無かった。新しい制度では、定年時点の役職を継続するコースも加えて3コースとした。
  • また再構築した制度を運用し、定年退職者を再雇用するにあたっては、審査会を設置した。「目標達成度」「目標への取組姿勢」「意欲態度」の3つを評価することとした。審査会の構成員は以下の通り。
  1.  理事長
  2.  当該職員の所属する事業所の課長以上
  3.  他の施設の施設長
  • 審査会は2回開催し、1回目の審査会では、新しい制度における3つのコースのうち、当該職員に提示できる選択可能なコースについて審査する。その後、当該職員へ内容を提示した上で本人の意向を確認し、2回目の審査会で給与を含めた処遇面について審査することとした。
成果
  • これまでは、定年後のイメージが不明確なために後継者の育成が後回しになることもあったが、今後は制度を整備したことで、後継者の育成を考える良い節目として機能すると考えられる。
  • 役職を継続するコースを設けたことで、後継者の育成に時間的なゆとりをもって取組むことができる。また取組み中のプロジェクトにおいて、役職を継続して対応することも可能となった。
  • 具体的な運用はまだ1回だが、制度を整えたことで、客観的な評価に基づいて再雇用者の処遇(身分・給与・役割)が決められることになり、当法人の全体的な人事制度改革にむけた第一歩となった。
まとめ(改善のポイント)

「定年後再雇用制度実施要項」の作成と「再雇用職員就業規則」の見直しを行った。運用にあたっては審査会を設置することで、客観的な評価を踏まえた再雇用が可能となった。

改善を行った感想
  • 制度が整備されたばかりで、目立った変化はそれほどないが、今後、数年かけて制度が職員の中に馴染んでくると思われる。すでに自身の定年を見据えて後継者の育成について部署内で明示する職員もおり、職員が見通しをもって業務にあたりやすいと考えられる。
今後の課題
  • 専門家より、正規職員・非正規職員の規定も同時に整備を進めるようアドバイスを受けており、多様な世代から参加を募ってワーキンググループを構成し、話し合いを進めている。早期の給与体系の構築を目指しているが、各施設は事業内容が異なり、そこに勤める職員も夜勤の有無など勤務条件が異なる。そのため勤務条件の差異をいかに給与に反映させるかといった論点に難しさを感じている。
  • 労働契約法の改正を見据え、非常勤職員の定年は新しく70才と定めたが、非常勤職員の評価制度が未整備のため、作成する方向である。

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