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東京都社会福祉協議会

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職員がモチベーションを高く維持できるように、各種規程を改善・周知する

法人情報・改善テーマ

 
 
法人情報
  • 主な事業:保育
  • 地域:区部
  • 施設数:5施設(認可保育園4、認可外保育園1)
  • 職員数:113名(常勤67名、非常勤46名)
  • 依頼した専門家及び費用:社会保険労務士、約50万円
改善テーマ
  • 法令遵守(特にSNSの利用における法令順守)
  • 人事考課規程の改善
  • 諸規程の周知
  施設外観

施設内の様子

取組のきっかけ

  • これまで、就業規則等の規程については、規程を読み確認印を押す形で周知を図っていたが、きちんと読み込んだうえで押印をする職員は少なく、十分な周知が図られているとは言いがたい状況であった。
  • そのため、職員にとっては、規程を認識していないことを理由に指導されたように思えるため、納得が出来ず、不信が生じてしまうことや、結果として離職してしまうこともあった。
  • 職員の守秘義務、特にSNS利用については、これまで対応できる規程がなく、保護者や職員間のトラブルを防ぐためにも、規程を整備する必要性を感じていた。
  • 人事考課については、職員に納得のいく形で示すことが難しく、人事考課により職員のモチベーションが下がってしまうこともあったため、改善の必要性を感じていた。
 

課題

課題1.SNSに対応にした規程を整備する。
課題2.規程への理解が深まる効果的な周知の方法を検討する。
課題3.人事考課の方法を見直す。

取組1:
コンプライアンス規程及びソーシャルメディア利用管理規程の整備・改善

実践
  • まず、両規程の整備にあたって、専門家から、何のために改善をするのか、改善の目的を明確にすることを求められた。
  • そこで、施設長会議を行い、職員がモチベーションを高く保って勤務をしてもらうことが目的であり、そのためには、上司から必要のない指導を受けることや、トラブルに巻き込まれることがないよう、規程をきちんと理解してもらうことが大事だということを確認した。
  • コンプライアンス規程とソーシャルメディア利用管理規程の案は専門家に作成してもらい、当法人の実情に合ったものとなるよう、施設長会議で検討した。
  • 職員に分かりやすく説明するために、各規程の理解を助ける解説を作成し、説明を行った。
  • 新たに採用した職員に対しては、解説を用いながら、規程を丁寧に一字一句読み合わせることで、理解してもらうこととした。
成果
  • 職員から、規程に関する質問が多く出るようになり、規程を理解しようとしてくれる姿勢を感じることが多くなった。
  • 施設長会議の中で規程を作成、改善させていったため、施設長の理解も深まり、また、施設による差異のない運用を行うことができている。
  • SNSについては、不用意な発信が減少している。

コンプライアンス規程(41KB)
コンプライアンス規程・解説(17KB)
ソーシャルメディア利用管理規程(18KB)
ソーシャルメディア利用管理規程・解説(17KB)

工夫した点
  • 職員の規程違反に対して、規程通りに注意をしても、それで納得のできない職員が辞めてしまっては意味がないので、現場業務で忙しい職員でも規程の内容を理解してもらえるように、解説を作成することとした。
  • 特に、ソーシャルメディア利用管理規程は、コンプライアンス規程とは別に作成し、厚く解説を行うことで、しっかりと理解してもらえるよう工夫した。
  • 職員と直接接する機会の多い園長に対しては、施設ごとで取扱いに差異が生じないよう、事務局長と専門家とで説明を行った。
  • SNSを規制することは、職員の心の悩みを発散させるツールを制限することにもなるので、法人本部からも施設に積極的に赴き、声掛けを行うようにして、職員から相談を受けやすい環境を作った。

取組2:人事考課規程及び運用方法の見直し

分析
  • これまでも、人事考課の方法については、職員が納得しやすい制度になるよう、改善を重ねてきたが、対人サービスの質を客観的に評価する仕組みを作ることは難しく、法人独力で達成することの難しさを感じていた。
  • また、施設間で、考課点に差異が生じやすかったため、法人全体で見直す必要があった。
実践
  • まず、人事考課を行う目的について検討をし、競争させて伸ばすことよりも、モチベーションを高く保たせることが目的であることを法人で確認し、専門家に依頼をした。
  • 上記の目的達成のために、職員自らが目標を掲げる「目標設定」に重点を置いた考課を行うことと、人事考課シートの見直しを行うこととし、その内容について、専門家のアドバイスを受けた。
  • 人事考課シートは、具体的な目標を、職員自ら設定し、作成することとした。
成果
  • 施行したばかりで、結果は出ていないが、職員一人ひとりが自身の具体的な目標を持っているため、何をすべきかが以前よりも明確になっている。
  • また、園長も職員の目標を把握しているため、以前よりも指導をしやすくなっている。

(旧)人事考課規程(41KB)
(旧)人事考課シート(17KB)

(新)人事考課規程(41KB)
(新)人事考課シート(36KB)
人事考課規程取扱要綱(15KB)

工夫した点
  • 人事考課の目的を、職員のモチベーションを高める点とすることで、職員の目標設定に重点を置いた考課を行うことと方向づけた。
  • 職員の設定する目標は、できるだけ具体的な行動とすることで、明確で客観的な基準となるようにした。
  • 施設間で不公平が生じないよう、法人の事務局長が全体を確認することとした。
まとめ(改善のポイント)
  1. 専門家に依頼する際には、具体的な課題と目的を持って行うことで、法人の望む効果的な具体的なアドバイスを受けることができる。例えば、人事考課の改善であっても、目的によって、取るべき改善策は異なる。
  2. 規則は、職員を処分することが目的ではないので、職員に正しく理解してもらうことが大切で、そのためには、法人が分かりやすい説明の方法を考え、実施していくことが重要である。
改善を行った感想
  • 専門家からの、規程を分かりやすく説明する方法や、職員への説明方法等の指導が、とても勉強になった。
  • 専門家に依頼する際には、何のために改善するのか、という目的をきちんと考えたうえで、具体的に依頼を行うことが大事だと感じた。
  • 他の規程についても、分かりやすい説明の方法等を話し合い、周知していきたい。
今後の課題
  • コンプライアンス規程は、より保育の実情を踏まえたものに改善していきたい。
  • ソーシャルメディア利用管理規程は、職員からの具体的な事例に関する質問が多くあり、これに対応できるよう、適宜改善していく必要がある。また、新たに発生する問題についても、適宜改善を行い、対応していく必要がある。
  • 人事考課については、今後結果が出るので、そこでのアンケート調査結果に基づき、改善していきたい。また、考課時のフィードバックの方法についても、各園長と調整をしていく必要がある。
  施設外観2

施設内の様子(プレイルーム)

お知らせ

 東社協では、公認会計士及び税理士の紹介を行っています。

 パソコン会計の導入、経理規程の見直しや作成などを依頼することもできますので、是非ご活用ください。

社会福祉法人経営力強化事業「7.専門家の紹介」

※就業規則の変更については、社会保険労務士に御相談ください。

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