社会福祉法人の使命に基づき、地域における福祉課題の解決に向けて、3層による地域公益活動を推進します。

東京都地域公益活動推進協議会

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社会福祉法人東京聖労院、社会福祉法人ドリームヴイ、社会福祉法人北区社会福祉協議会(北区)

社会福祉法人東京聖労院、社会福祉法人ドリームヴイ、社会福祉法人北区社会福祉協議会(北区)

高齢化がすすむ北区桐ケ丘団地の商店街は、ほとんどの店でシャッターがおり、高齢の方が買い物に行けない、食事をつくることがしんどくなっても外食をする場所がないという状況でした。そんな地域の課題に気がついた社会福祉法人「ドリームヴイ」では、障害のある方がいつまでも元気で活躍してほしいと、会社を定年退職した方や、何らかの事情でいったん仕事を辞めた方が、フルタイムでなくても、地域に役立つ実感を持ちながらやりがいのある働き方ができないかと考えていました。

住民中心に運営する常設型の居場所で地域につながりを紡ぎ直す

赤羽駅から徒歩約20分、高齢化がすすむ北区桐ケ丘団地の商店街の一角に、まちの高齢者でにぎわう「桐ケ丘サロンあかしや」があります。団地の商店街は、ほとんどの店でシャッターがおり、高齢の方が買い物に行けない、食事をつくることがしんどくなっても外食をする場所がないという状況でした。そんな地域の課題に気がついたのが、長年、地域で障害のある方が働く場・生活する場をつくってきた社会福祉法人「ドリームヴイ」でした。ドリームヴイでは、障害のある方がいつまでも元気で活躍してほしいと、会社を定年退職した方や、何らかの事情でいったん仕事を辞めた方が、フルタイムでなくても、地域に役立つ実感を持ちながらやりがいのある働き方ができないかと考えていました。

桐ケ丘団地商店街(シャッターが降りている店の様子)
桐ケ丘団地 商店街

そこで、商店街の会長に相談を持ちかけ、空き店舗を借りて障害のある人の働く場をつくろうと考えました。そこを拠点にして桐ケ丘団地に住む高齢者が必要としているニーズに応えるサービスを提供しながら地域を活性化するしくみです。

そして、平成26年、桐ケ丘団地商店街に、立ち寄りやすい食事処として、カフェレストラン「ヴイ長屋」をオープンしました。

カフェレストラン「ヴイ長屋」の外観
栄養バランスの整ったランチを提供
カフェレストラン「ヴイ長屋」

さらに、地域の課題や状況をもっと深く知りたいと、桐ケ丘地区を担当する地域包括支援センターを運営する社会福祉法人東京聖労院 桐ケ丘やまぶき荘を訪ねました。折しも、東京聖労院では、高齢者のみの世帯が多く、閉じこもりがちな人が多い桐ケ丘団地で、何かできることがないかを模索しているところでした。

そして両法人が出会い、地域のために一緒にできることを探そうと、地域の人たちに話を聞いたところ、「いつでもふらっと立ち寄れる居場所がほしい」という声が上がりました。そこで、北区社会福祉協議会も検討に加わり、3法人で、常設型の居場所「桐ケ丘サロンあかしや」を平成28年6月にオープンしました。

「桐ケ丘サロンあかしや」入口の様子
地域のつながりを紡ぐ桐ケ丘サロンあかしや

あかしやができて、元気でいられる

サロンは「明石屋」というかつて賑わっていたそば屋の空き店舗を居抜きで借りています。「あかしや」の名前はそこから使っています。平日毎日10時~16時まで、地域の人々が気軽に立ち寄っておしゃべりなどをしながら自由に過ごせる場所になっていて、2軒隣にあるヴイ長屋から食事や飲み物を取り寄せることもできます。住民からは「“あかしや”ができて、元気でいられる」という声が聞かれています。

「桐ケ丘サロンあかしや」内部(蕎麦屋の雰囲気が残る机といす、座敷席)
桐ケ丘サロンあかしや内
元おそばやさんの雰囲気がそのまま残る

さまざまなチラシが置かれたラック
サロン内には情報提供のスポットも

それぞれの法人の強みを生かして運営

あかしやの運営費用は、ドリームヴイと東京聖労院が出し合っています。「自分たちだけでは、本来の業務をしながら毎日サロンを開けることは難しかった。ドリームヴイが運営・管理をしてくれるから開設できた」と東京聖労院桐ケ丘やまぶき荘施設長の藤井和彦さんは話します。また、ドリームヴイ理事長の小島靖子さんは、「地域包括支援センターは、地域の高齢者の生活状況を把握している。だから、この人にこんなサポートが必要など、具体的なニーズがわかり、新しい取組みにつながる」と話します。そして、藤井さんと小島さんの二人は、「社会福祉協議会には地域の色々な情報があり、地域の人たちと一緒に事業を運営する勘所を持っている」と社協が運営にかかわる意義を話します。

住民主体で運営する

設立の時から、3者が大切にしていることは、「住民主体で運営する」ということです。あかしやは、町会・自治会長や民生児童委員協議会の会長、商店街の会長、ボランティア団体、そして、北区児童館等からなる「運営委員会」を組織しています。2か月に1回の会議では、地域のさまざまなニーズが上がってきます。普段はあまりサロンに来ない男性も出てきやすいようにと企画した「ビアガーデン」等、「こんなことがやりたい」「こんなことが心配」という住民の声から、地域の課題を共有し、さまざまなイベントを行う拠点にもなっています。「ふらっと来られるのもよいけれど、住民が希望するイベントを開催したり、住民が定期的に集まる趣味の会を開催することで、だんだんと地域の人にあかしやのことが知られていく」ドリームヴイの小島さんは話します。

東京聖労院、ドリームヴイ、北区社協の3者で開催する事務局連絡会
東京聖労院、ドリームヴイ、北区社協の3者で開催する事務局連絡会は、
和気あいあいとした雰囲気の中活発な議論が行われていた

地域のつながりを紡ぎ直す

今、桐ケ丘団地では、あかしやを拠点に、さまざまなつながりが紡がれています。

サロンに顔を見せなくなった人に気がついて声を掛け合う、サロンでちょっとした困りごとを住民同士またはドリームヴイのスタッフに相談するということが出てきました。また商店街を清掃しながら障害のある方が毎日元気に挨拶をすることで高齢者に笑顔が出るようになる、あまり外出しなかった人が少しずつサロンで開催するイベントに出てくる等、住民の孤立の防止に役立っています。さらに、ドリームヴイでは、自宅での夕食の支度が困難な高齢者やお店への来店が困難な人のために、夕食を中心としたお弁当の配食サービスも始めています。食事を届ける機会を活かして高齢者の声掛け、見守りや、ちょっとした買い物の依頼を受ける等もしています。

「現在は住民活動が衰退してしまっている。しかし、あかしやができて、さまざまな形で住民が集うことで、地域のニーズが可視化され、地域のつながりに厚みができてきたといわれるような場所を目指したい」と藤井さんは話します。

東京聖労院の藤井さん、ドリームヴイ小島さん
お話を聞かせていただいた
(社福)東京聖労院 桐ケ丘やまぶき荘施設長 藤井和彦さん (左)
(社福)ドリームヴイ 理事長 小島靖子さん (右)

あかしやでは、今、運営委員会から出てきた「団地の内外に、夜遅くまで食事をとれていない子どもたちがいる」という声から、子どもも高齢者も障害者も、地域のだれもが夕食を共に食べられる「地域の食卓」をつくろうという動きが出てきています。小島さんは、「団地の再開発がすすむなか、地域に必要なものを、地域住民自身がつくっていく実績が、新しい街づくりにつながる」と将来を見通して語ります。

種別を超えた法人が連携して、住民が集い・話し合う場を創ることで、あたらしいつながりが生まれ、少しずつ地域が変わってきています。

 

社会福祉法人東京聖労院、社会福祉法人ドリームヴイ、社会福祉法人北区社会福祉協議会

社会福祉法人東京聖労院 桐ケ丘やまぶき荘

〒 115-0054  東京都北区桐ケ丘1-16-26
TEL:03-5924-0150
http://www.seirouin.or.jp/yamabuki/

4本御社「四恩報謝」(天地、父母、国、衆生の恩に報い、感謝するこころ)の教えに根本を置いた「聖労」(報いを求めない聖き労働)を実践し、「地域とともに育つ」ことを法人理念に北区桐ケ丘で、特別養護老人ホーム、高齢者住宅サービスセンター、指定居宅介護支援事業所、地域包括支援センターを運営する。法人は、都内の他の地域でも、高齢者施設や児童館などを運営している。

社会福祉法人ドリームヴイ ヴイ長屋

〒 115-0054  東京都北区桐ケ丘1-9-4-2
TEL:03-5948-4300
http://www.dream-v.or.jp/nagaya/

「王子養護学校の卒業生を応援する会(ヴイの会)」が土台となり、 平成15年4月より事業を開始。「生まれ育った家の近くに働く場、生活する場を作ること。」をすすめ、北区を中心に、就労移行、就労継続B型事業、就労支援センター、相談支援事業所、短期入所事業、グループホーム等を運営している。

社会福祉法人 北区社会福祉協議会

〒114-0021 東京都北区岸町1-6-17
TEL:03-3906-2352
http://kitashakyo.or.jp/

地域福祉の推進を図ることを目的とする社会福祉法人。誰もが安心して暮らすことができる福祉のまちづくりを推進することを使命として、民間団体としての柔軟性を活かした事業を行っている。