むらやまえん生活相談所 障害を持った男性の自立支援
社会福祉法人 村山苑 むらやまえん生活相談所
対象者を限定せず、地域生活での困りごとに何でも応じている「むらやまえん生活相談所」での支援事例
平成30年10月3日掲載
地域包括支援センターからの相談です。60代男性。脳梗塞を2回起こし、両上肢・両下肢に麻痺があり、身障手帳1種3級、要介護度2度の状態でした。
妻・長男・長男の子供(小4)との4人が同居しているが、本人の面倒は誰も見ないため、自宅内別居状態で、近隣に住む弟が、毎日来て生活の手伝いをしていました。長男からは言葉の暴力があり、この生活に耐えられなく自宅を出て、現在は、宿泊の出来るデイケアに身を寄せています。後に老人ホームのショートに行く予定ですが、そこも長くはいられません。経済的には、預金・年金は全く無く、弟が援助していますが、限界があります。地域包括支援センターは、施設以外の生活も考えられるとみていました。
面談してご本人の希望は「①経済的に自立したい、②離婚をしたい、③施設では無く、単身で生活したい、④早く現状を解決したい」でした。
課題を整理し、高齢介護課・障害支援課・生活保護窓口・包括支援センター・ケアマネージャーとの関係者会議を開き、検討の上、支援を開始しました。介護保険区分変更、離婚手続き、生活保護申請、障害認定調査等がなされ、アパートへの転居が可能になりました。
この事例を通して、それぞれの制度・サービスに携わる者は、他の制度・サービスについての知識が乏しいことがわかりました。そのため複数の制度・サービスを交えた支援を行うときには、各種制度・サービスを理解した上で全体像を把握し、動かしていく力、コーディネート力が必要となってきます。また、課題に対応する社会資源が非常に乏しいという現実を実感しました。
今後も、相談事業を通し、制度の狭間や不足を埋め、地域の福祉の向上に寄与して行きたいと考えています。
※平成30年9月25日開催 実践発表会(前期)障害・医療等分野 発表