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東京都地域公益活動推進協議会

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地域の保健室「駒ちゃんサロン」~新型コロナウイルス感染予防対策~

社会福祉法人武蔵野療園(中野区)

武蔵野療園が運営するしらさぎ桜苑は、誰でも参加できる「駒ちゃんサロン」などを開催しています。健康相談や健康チェックが気軽にできる地域の保健室として開催してきました。コロナ禍では、緊急事態宣言で一時休止した際は、サロンの内容をまとめたお手紙を参加者に送りました。新しい生活様式にあわせて、感染対策を徹底したうえで活動を再開しています。

令和3年6月30日掲載

東京都で第1号の社会福祉法人

社会福祉法人武蔵野療園は、1936年に結核病院として中野区に発足し、1952年に東京都で第1号の社会福祉法人として認可を受け、スタートしました。現在は、特別養護老人ホームを中心にさまざまな事業を展開しています。しらさぎ桜苑は、小規模多機能型居宅介護、訪問介護、都市型軽費老人ホーム、デイサービスを運営しています。

駒ちゃんサロンとは

しらさぎ桜苑の居場所づくりとして、どなたでもご利用できる駒ちゃんサロンのほか、オレンジカフェ、桜カフェ、サクラシネマというシアターを運営しています。駒ちゃんサロンは、まちなかサロンに所属しています。

「まちなかサロン」とは、区民の自宅や区民活動センター等を会場に、区民同士が気軽に集える〝憩いの場〟として中野区社会福祉協議会が呼びかけて広げています。子育て中のお母さん方からシニアの世代などが集い交流できるきっかけづくりを行っています。サロンの運営は自宅などを開放してくださる区民、ボランティアスタッフを中心に、参加者ご本人、町会・自治会や民生・児童委員などにご協力いただきながら取り組んでいます。スタッフに看護師がいて、健康相談や健康チェックができることが特徴です。お茶菓子もカロリー計算をしていたり、飲み物もコーヒー、緑茶、ハーブティーなどから選べます。「地域の保健室」として、気軽に相談やお話ができる場所です。

私たちが社会福祉法人として、サロンを開催することもできますが、地域の方と同じ立場で開催すること、情報交換を大切にしたいという思いから、まちなかサロンに加えてもらいました。

コロナ禍以前の駒ちゃんサロンは、毎月1回2時間の開催で、申し込み不要、参加者は約35名でした。13時から受付を開始し、ほかの高齢者施設から移動してくる方のために、11時から13時までは、持ち寄りランチの時間としていました。13時30分から歳時記から始まり、健康ミニ講座、看護師による健康相談、体操や歌などを行っていました。

 

緊急事態宣言で「駒ちゃんサロン」を一時休止

2020年4月に緊急事態宣言が発令されました。2月までは開催し、3月には休止を決めた段階で利用者に電話で連絡を取りました。電話したときには、福祉業界でも新型コロナウイルスの情報が錯綜している状態でしたが、地域の高齢者は一人暮らしの方も多く、「不安だわ」という声を多く耳にしました。休止の連絡をしたときに、駒ちゃんサロンに来るために30分以上も歩いて来ていることを初めて知りました。電話で直接に話すことで個々の利用者の生活状況を把握することができました。

そして、休止するにしても、何かしなくてはならないと考え、大人のドリルをつくりました。脳トレも入っていますが、普段の駒ちゃんサロンのように、歳時記から始まり、季節の挨拶、脳トレ、歌を歌うという流れに沿ったドリルにして、参加者に届けました。また、双方向でやりとりができるように、手紙を入れてもらう形式にしました。参加者の皆さんは、文章をたくさん書いてくださりました。体調が悪くなっている方も多く、駒ちゃんサロンを再開しなくてはならないという思いに至りました。

再開に向けては、感染予防対策を職員間で共有しました。参考にしたのは、東京都健康長寿医療センター研究所が作成した「通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」です。例えば、利用者が玄関から入って、エレベーターに乗り、3階に上がるまでのあらゆる動作確認をして、点検をしています。そして、再開にあたっては、「コロナに負けない新生活様式 駒ちゃんサロン」という案内書きを作成し、手紙で送付しました。

 

新しい生活様式に合わせて活動再開

そして、新しい様式にあわせて駒ちゃんサロンを再開しました。気をつけたのは、感染対策の徹底です。まずは東京都の補助金で、紫外線殺菌装置を設置しました。部屋の空気を殺菌する装置で、多目的室や各事業を行っている食事の場にも設置しています。サーキュレーターとの併用で、常時換気に努めています。駒ちゃんサロンの開催場所は3階ですので、従来3階の窓口を受付としていましたが、1階玄関に受付を変更し、検温を行うようにしました。また、ハンガーラックに透明ビニールをかけて、仕切りとして使用しています。看護師の相談コーナーも、つい立てで囲んでいます。また、長机には、アクリル板を設置しました。駒ちゃんサロンは、デイサービスと同じフロアにあるため、デイサービス利用者とは、別のトイレを使用するようにしました。食器は、使い捨て容器を使用しています。

参加者には、毎回、スライドで換気や三密回避といった感染対策を確認してもらいます。また、検温は、受付でも行いますが、なるべく事前に家でも行うようにお願いしています。

駒ちゃんサロンのタイムスケジュールは、従来ランチ会を含めて2時間で開催していましたが、ランチ会は休止し、30分間短縮の1時間30分としました。

歳時記は、全員が同じ方向を見る講義形式をとり、マイクとスライドを使い、なるべく大きな声を出さないようにしています。また、机にはアクリル板を置いて、隣の人と距離をとっています。これまで、地域包括支援センター、専門家の講師、民生児童委員等の多くの関係者と交流してもらい、地域でのつながりをつくってもらうことを大切にしていました。コロナ禍ではZoom等を使い、オンライン交流会に切り替えています。高齢者にもオンラインに慣れて頂く必要性を感じました。毎年お正月には、ケアマネジャーと介護事業所が手づくりの獅子で、獅子舞を見せてくれますが、感染予防として今年はオンラインで行いました。利用者には、楽しく過ごしてもらっていますが、グループごとに輪になって座るよりも、発言が少なく、寂しさも感じています。

気になっていることは、定員を削減したため、毎回、参加できない方が出たり、地域関係者(民生委員やボランティア)にご案内出来なかったり、認知症症状がある方の参加申込が遅れてしまうことです。他のサロンやカフェに来てもらえるように、2~3箇所を平行して案内するようにしています。

感染対策を共有し徹底したことで、再開してから、サロン担当職員からも担当以外の職員からも不安な声もなく、「次はこうしたいね」「こういう動画はどうかな」など前向きな意見が聞かれます。参加して下さる方からも励ましのお声を頂いたり、「楽しみにしているよ」と言って頂いています。

今後はまず、お越しくださる方の健康を第一に考えながらも、どんな時でも地域と共にあることを意識しながら、徐々に地域関係者との交流を復活させる事を目指し、オンラインや新様式を取り入れながらの工夫を続けて行きたいと思います。