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東京都地域公益活動推進協議会

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子ども食堂・フードバンク等を通じた食の支援

社会福祉法人長淵福祉会 カントリービラ青梅

長淵福祉会では、子ども食堂・フードバンク等を通して、地域の子どもや団体、コロナ禍で食提供の必要性がある方などに対し、食の支援を行っています。

令和4年1月14日掲載

当法人の概要

当法人では、社会福祉法の改正によって義務づけられた「社会福祉充実計画」を策定し、平成29年より地域公益活動を実施しています(10年計画)。活動内容は、子ども食堂「すぺーす まゆだま」の運営、高齢者無料送迎「高齢者暮らしの支えあい事業」、就労支援事業、災害時一時避難所、フードバンク青梅の運営などです。

 

子ども食堂「すぺーす まゆだま」の運営

子ども食堂「すぺーす まゆだま」は、地元自治会長・民生委員・通学区の小中学校校長・近隣の児童養護施設・当法人で構成する運営委員会が実施しています。青梅市立友田小学校4~6年生を対象に、毎週金曜16時から19時までの開催です。子ども食堂といっても、基本的には子どもの居場所づくりとして取り組んでいるため、運営委員会で話し合い、対象は4~6年生としています。

運営スタッフは、施設職員3名(うち専従者1名)、ボランティア登録者16名で、夕食の調理はボランティアが担当します。場所は、民家を借り、部屋をぶち抜いて広いスペースになるように改装。こちらで遊びの時間、勉強・宿題、夕ご飯、遊びの時間という流れで活動しています。

 

フードバンク青梅の活動

1年間、子ども食堂を運営する中で、さらに食の問題に取り組む必要があることを実感し、当法人が実施主体となって「フードバンク青梅」を立ち上げました。青梅市には、食材を集めるフードドライブという既存事業がありましたが、配布先が曖昧だったため、まずは、フードドライブで集めた食材を引き受け、配布先を明確にすることが目的でした。実施日は、毎週火曜・水曜で、「スペース まゆだま」の物置スペースを活用して行っています。実施日には、非常勤職員1名が半日ほど滞在します。活動内容は、寄贈先からの物品の受け入れ、配布先への配送、連絡調整です。

受贈元は、2019年度が個人36件・団体11件、2020年度が個人13件・団体11件でした。青梅市フードドライブ、青梅市農政課、青梅ロータリークラブ、秋川ロータリークラブ、株式会社パルシステム東京、株式会社増田屋、かすみ直売センター(農協)、自立支援塾、さらにスポットで栗原園、横浜マニュファクチャリング、当施設となっています。

寄贈先は、NPO法人など公益的な活動をしている団体に設定しました。東京恵明学園(児童養護施設)、NPO法人子ども劇場西多摩、子ども食堂「どんぐりやま」、なかま亭(弁当店/障害者就労継続支援B型事業所)、武尊塾(学習塾)、子ども食堂「Kanpa café mio」(「すぺーす まゆだま」で運営)、青梅市生活福祉課、東京オレンジ(生活・住宅支援を行うボランティ団体)、そして「すぺーす まゆだま」です。

 

個人に食品を届ける「フードパントリー」

コロナ禍による就労環境の悪化を背景に、個人からの問い合わせが増加し、地域に点在する食材提供の必要性がある個人に対応するため、フードパントリーを立ち上げました。フードバンク青梅を通して結びついたボランティアグループと共に自発的に検討が始まり、2021年6月に検討会を開き、7月にはフードパントリーの活動が始まりました。

青梅市フードドライブやパルシステムといった企業から提供された食品をフードバンク青梅に集約し、常駐者のいる「どんぐりやま」で電話を受け、各グループに食材を届けるという仕組みとしました。

フードパントリーの体制

特別児童扶養手当・就学支援などを受けている世帯が対象となるため、なんらかの形で生活に困っていることを証明してもらうようにしています。

フードパントリーの現状としては、子ども4人の2世帯、ひとり親の3世帯の計5世帯に食品を支援しており、対象者から「助かります」という声が届いています。一方で、安定的な食材の確保や、子ども食堂等を必要としている人を結びつけられていないといったことが検討課題となっています。

個別の食支援は、配布する窓口をどう増やしていくかという問題があります。青梅市は老人ホームがたくさんあるので、その施設長会との連携を考えています。食料の提供元や箱詰め作業について、どのように協力を仰いでいくか、検討していきたいと考えています。

 

令和3年10月27日開催「地域公益活動を考える オンライン実践発表会」において発表いただいた内容を編集しました。
発表者 社会福祉法人長淵福祉会 カントリービラ青梅 施設長 小嶋直之氏