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コロナ禍における地域貢献活動「にこにこ清風食堂ワゴン&フードドライブへの挑戦」

社会福祉法人 賛育会 清風園(町田市)

テーブルを囲み、利用者やスタッフが食事をしている様子

中学校と連携したお弁当販売の取組み

~コロナ禍における地域貢献活動「にこにこ清風食堂ワゴン&フードドライブへの挑戦」

令和4年11月29日掲載

地域の声をきっかけに開始

子ども食堂「にこにこ清風食堂」は、「地域で困っているのは高齢者だけではない」という民生委員からの声をきっかけに、平成27年から検討を始め、平成28年6月にオープンしました。以来、地域住民や学生と交流をしながら、子どもたちの「食べる」「遊ぶ」「学ぶ」を支援してきました。しかし、令和2年3月に新型コロナウィルス感染症の影響で、一時的に中止を余儀なくされました。同年7月頃に再開したものの課題も多く、さらなる新型コロナウィルス感染症の拡大で、令和3年3月より新たな取組みを開始しました。それが、にこにこ清風食堂ワゴンとフードドライブです。

コロナ禍での取組を進めるため近隣中学校の学校運営協議会に相談

コロナ禍における課題は、集合すること、「密」になることです。そこで、子ども食堂の感染対策として、少人数に食事のみを提供、開催を月2回から1回へ縮小、子どもたちの動線の検討、学生のリモート参加など、さまざまな取組みを行いました。しかし、縮小すればするほど利用する子どもの数も減少してしまいました。

そこで、新しい考え方を取り入れるため、メンバーとなっている近隣の金井中学校の学校運営協議会の会議で、子ども食堂の現状を伝えました。地域で活動することは、地域の人たちと考えたほうがよいアイディアが出るのではないかと思ったからです。

そこで、清風園の敷地から出て、お弁当を販売してはどうかということを提案したところ、金井中学校の駐車場で販売することにした場合、多くの子どもたちが来て密になるのではないか、その場で食べてしまうのではないかといった懸念もありましたが、お弁当に箸をつけないなどの解決策も考えました。お弁当販売の周知には、校長先生から生徒全員に声をかけてほしいという要望もあり、近隣の小中学校にチラシを配布する案が出ました。さらに、一方通行のお弁当販売だけではなく、来る人たちに不要な食品を持ってきてもらうフードドライブを加える意見も挙がりました。当園の職員だけで考えていたときよりも、多くの発案があり、これらを実現化する方向で話を進めました。

そして令和3年3月より、にこにこ清風食堂ワゴンをスタートしました。学校運営協議会の協力で、中学校PTA、教師、地域ボランティアにお弁当づくりに参加していただき、まずは50食を用意して、200円で販売。フードドライブは社協と連携しました。

地域へ飛び出したことで、住民との関わりが増えた

結果としては、「考えるよりも、やってみる」ことが大事だと実感しました。実際に動き出すと、多くの人からアイディアが出て、楽しい取組みとなっています。お弁当は、子どもたちが好きな唐揚げやカレーなどを清風園で調理して、車で2、3分の中学校駐車場に運び込み、屋根テント、長テーブルを設置して販売しています。

お弁当販売では対象を子ども以外にも広げたため、中学生の家族、高齢者をはじめ地域の人々も来てくださいます。販売数も50食から60食、65食と増やし、現在75食です。それでも8分ぐらいで売り切れるほどご好評をいただいています。

お弁当

 

 

販売 

 

 企業やNPOとも連携し、これからも地域応援団の一員として

フードドライブには企業からの寄付も集まるようになりました。この活動は、社会福祉法人賛育会が地域貢献として、清風園7名、第二清風園2名の計9名で行っていますが、地域へと出たことで、職員も新しい関わりが増えました。クリスマスには、サンタクロースの扮装で子どもたちに楽しんでもらっています。

今後の課題は、調理の担い手や遊び・学びを提供してくれる学生の確保などです。コロナ禍で大学生はほとんど参加できない状態で、地域への関わり方を模索しているところです。

また、来年度は、NPO法人たがやすさんから、子ども食堂に農産物を提供してもらえることになりました。当法人では、58年前の設立当初から、「地域応援団の一員でありたい」を理念に活動してきましたが、これからも生産者や地域の人々、学生らと利用者をつなぐ役割を果たしていきたいです。

こども食堂 にこにこ清風園 ブログ https://ameblo.jp/seifu-nikoniko/このリンクは別ウィンドウで開きます

企業からの寄付

 

 

サンタクロース姿                   

 

《その後の取組み状況:令和4年11月》

現在も変わらず、この活動は継続しています。「にこにこ清風食堂」と同じような活動をしたいと市内の社会福祉法人の保育園さんも手を挙げ、見学に来られ熱心に学ばれて、開設されました。さらには清風園の調理ボランティアさんがその保育園さんのボランティアにも行かれています。改めて、人の和が輪になって繋がっていることを実感しているところです。

 

令和4年2月14日開催「地域公益活動を考えるオンライン実践発表会」PartⅡにおいて発表いただきました内容を編集し、HP掲載時の取組状況等を追記いただきました。

発表者 社会福祉法人賛育会 清風園 施設長 木口圭子氏

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