『もみの木保育園若葉台内「リリアンハートハウスの1週間」』
社会福祉法人 聖愛学舎
【令和4年度 地域公益活動推進協議会実践報告会 表彰作品要旨】
令和4年度 東京都地域公益活動推進協議会 幹事長賞
『もみの木保育園若葉台内「リリアンハートハウスの1週間」』の発表要旨をご紹介します。(推進協事務局)
令和5年2月24日掲載
発表要旨
※「令和4年度 東京都地域公益活動推進協議会実践発表会」において発表いただいた内容を、事務局で編集しました。
[発表者] 社会福祉法人 聖愛学舎 地域公益事業部長 田中 逸美 氏
地域公益事業棟として「リリアンハートハウス」を建設
当法人は1955年、東京都立川市でアメリカ人のリリアンハート夫人が近所の子どもたちを自宅に招いて始めた日曜学校がルーツです。この隣人愛の精神を受け継ぎ、2014年に地域公益事業棟として「リリアンハートハウス」は建てられました。「人々の心を癒し、豊かにする取組みを行う」「人と人とのつながりの機会を作り、地域を活性化する」ことを目的に、さまざまな事業を実施しています。
ゴスペルの練習、地域住民主体のサロン活動など多様な活動の拠点に
リリアンハートハウスの1週間を紹介します。
月曜日の夜は、「もみの木チャペルクワイヤー」の定期練習日です。職員、保護者、法人担当者、近隣の人たちが集まって活動しています。毎月行われる「もみ木チャペル礼拝」やコンサートでゴスペルを披露しています。
火曜日は、「ハートハウスサロン」の日です。地域住民を活動の主体とし、誰もが安心して暮らしていける地域作り、仲間作りを進める交流の場です。社協、地域包括支援センター、市役所高齢福祉課の協力を得て、自治会長・民生委員と職員がスタッフとなり、運営しています。現在はシニア層が主ですが、幅広い世代での交流も検討しています。自分の趣味や特技を披露する場もあり、利用者がアイディアを出して次回を楽しみにしています。サロンでは、落語会といったイベントも定期的に開催しています。
<ハートハウスサロンの様子>
お弁当づくりは地域のボランティアの参加を得て
水曜日は、「もみの木食堂」で弁当配布を実施しています。弁当は70食作り、そのうち20食を老人会、高齢者へ配達しています。
2021年度のもみの木食堂事業では、毎週2回170食、延べ6,746食の無料弁当配布を行いました。一人暮らしの高齢者、子育てをしながらテレワークをする家庭などから、とても喜ばれています。
水曜の朝にもみの木食堂内で調理ボランティアと打ち合わせを行い、その日の献立に沿って、材料や手順の確認をします。ボランティア参加は8時30分から13時30分です。30代から70代までの16名が登録し、月に1~2回、毎週など個々人のペースで参加しています。ボランティアスタッフは定年退職後に地域に役立つことがしたい人、地域とのつながりを作りたい人、専業主婦までさまざまです。調理の知恵やアイディアを出し合い、美味しい弁当を作り、食べてもらうことを楽しみながら活動しています。利用者の地域も広がり、弁当という食が人と人をつないでいます。利用者からは、「調理をしなくてもいいので、時間のゆとりをもらっている」といった声が聞かれます。
<お弁当、ボランティアによるお弁当作りの様子>
リリアンハートハウスを人と人を結ぶ懸け橋に
木曜日は、今年で結成23年目を迎えるキッズゴスペルグループEvergreen Choirの活動日です。保育園の卒園児を中心に小学生から高校生まで約40名が在籍しています。国内各地の教会や福祉施設での公演をはじめ、海外でも公演を行い、国際交流も盛んです。保護者スタッフが広報・映像・舞台などの運営にも携わり、理事長もソングライターおよびディレクターとして参加、ミュージシャンの保護者もバンドメンバーに加わっています。目的はゴスペルの素晴らしいメッセージを世界中の人々に伝えることです。大人も子どもも一人のメンバーとして力を合わせて公演を行います。
<Evergreen Choirの練習の様子>
金曜日は、夜に弁当配布を実施しています。仕事帰りに立ち寄り、家族みんなで手作りの温かみを感じながら食べられると大人気です。
土曜日は月に1度の、もみの木チャペル礼拝の収録を行っています。心のリフレッシュサンデーとして、理事でもある牧師により、クリスチャン以外の人々にもわかりやすくキリストのメッセージと賛美を届けていますが、コロナ禍により現在は配信となっています。
リリアンハート夫人の隣人愛の精神を受け継ぎ、リリアンハートハウスに地域の人々を招き、人と人とを結ぶ架け橋となること、またこの思いがこれからも受け継がれて、たくさんの人たちがつながるように願っています。