地域共生社会の実現に向け、“オール東京の社会福祉法人” による地域公益活動を推進します。

東京都地域公益活動推進協議会

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社会福祉法人 東京光の家『SDGs活動の地域貢献~「旭が丘中央公園地区センター」の運営を通じて~』

社会福祉法人 東京光の家

【令和4年度 地域公益活動推進協議会実践報告会 表彰作品要旨】

令和4年度
東京都地域公益活動推進協議会 奨励賞
『SDGs活動の地域貢献~「旭が丘中央公園地区センター」の運営を通じて~』の発表要旨をご紹介します。(推進協事務局)

令和5年3月10日掲載

発表要旨

※「令和4年度 東京都地域公益活動推進協議会実践発表会」において発表いただいた内容を、事務局で編集しました。

[発表者] 社会福祉法人 東京光の家 中島千絵氏

地域共生社会の実現はSDGs活動につながる

 社会福祉法人制度改革のもと公益性を担保する地域における公益的な取組みが社会福祉法人の責務となる中、地域における公益的な取組みを通して、地域共生社会の実現をしていかなければなりません。これは光の家ではSDGs活動につながるものだと考えています。誰一人取り残さない地域共生社会の実現を目指すべく、旭が丘地区センター運営管理室を設置し、地域と共に活性化を目指し、取り組んできました。

地域住民の集会所「旭が丘地区センター」の建替えの検討から参加

 平成30年4月より、地域住民の集会所「旭が丘地区センター」の運営管理業務を日野市より引き受けています。

 センターの建替えは、市の地域活性化や障害者支援、地域共生を進めるというニーズと当法人の地域における公益的な取組みの事業を展開したいという思いが合致し、市、東京光の家、地域住民、自治会、商工連、東京都立大の学生等で開設準備委員会が設けられました。地域活性化に向けて議論し、障害者が中心となって、「たきびのような暖かいつながり(*)」をコンセプトとして、障害者、高齢者、子育て世代、学生と多様な立場の住民が交流し、顔の見えるつながりとなることを目的に地区センターが作られました。

*「たきび」のようにというのは、童謡「たきび」の作者巽聖歌氏がこの地に住んでいたことにちなみます。

地域社会に必要な支え合いの居場所を創出する施設として

 地区センターには集会室、フリースペース、キッチンスペース、テニスコート受付所等があります。集会室は活動内容によって1~3部屋となり、最大3団体が1部屋ずつ使用できます。常駐職員の業務は、公園内テニスコート・グラウンドの受付管理、地区センター内の集会室の予約受付、併設のカフェ業務などです。

 市から地区センター内併設のテニスコート・グランドの受付管理と公園内の清掃業務委託として補助を受けていますが、地区センターの運営に関する経費など法人が負担して運営しています。

<地区センターの外観>

 地区センターのリニューアル・スタートから、4年半経過した現在、カフェのモーニングコーヒーを楽しむ人、お弁当を食べに来られる公園利用者や周辺企業に勤めている人など、たくさんの方がここでゆっくり過ごしています。月に2回、市の移動図書館が巡回し、高齢者の朗読ボランティアによる絵本の読み聞かせ会が行われます。フリースペースには絵本が置いてあるため、子育て世代が子どもを連れて来訪しています。

 職員が常駐することで、気軽に安心して入りやすい場所となり、市民と職員とのコミュニケーションも図られ、地域とのつながりが深まったと感じています。

 また障害がある利用者が公園のカフェで弁当販売を行ったり、カフェ店員として働いたりしています。地区センター内の掃除や公園の清掃も行っており、地域の人々に元気よく挨拶をして、「ありがとう」と言われることも多く、温かいつながりが育まれています。

<利用者の就労の様子>

課題は、職員の業務負担、コロナ禍での運営など

 課題の一つ目は、職員の業務負担です。社会福祉における人材確保が難しい中、現場を守りたい職員から、現場の人数が減り業務負担が増えることに対して不安の声がありました。社会福祉法人が地域福祉に貢献できなければ、社会福祉法人自体の事業も継続できなくなる時代であること、地域にも目を向け活動をすることで地域の中に障害を持つ利用者が当たり前のように存在し、共存し、助け合える仕組みにつながり、回り回って利用者の幸せにつながることを伝え、理解を求めました。

 二つ目は、新型コロナウイルス感染に伴う緊急事態宣言や外出自粛に伴う問題です。緊急事態宣言で1か月間の閉所を余儀なくされ、その後も集会室が密にならないように同じ時間帯は1団体のみの利用とするなど、利用制限もありました。また、たきび祭りなど季節のイベントが中止となり、せっかく生まれた地域とのつながりも途絶えてしまいました。安心して利用できる対策として、消毒や換気の徹底、マスク着用のポスターでの注意喚起、利用前に体調不良がないかなどの声かけを行い、現在は、安心して地域の人々に活用してもらっています。

旭が丘中央公園内で東京オリパラの採火式も

 東京オリンピック・パラリンピック開催で日野市の採火式のイベントがあり、ギリギリまで採火式が実施できるかどうか危ぶまれましたが、東京光の家、市自治会、地域団体、地域住民と一緒に企画をどうしたら実施できるかを模索しました。

 まん延防止等重点措置区域となったことから残念ながら無観客で光の家利用者と地元の中学生による採火となりました。密を避けるため、光の家講堂で小学校生徒の動画を流し、光の家の視覚障害者による「光バンド」と歌の交換会を行い、関係者が協力し合い、温かいイベントとなりました。

<オリパラ採火式の様子>

地域が活性化し、次世代につなげていくために、地域活動をサポートし続ける

 今後確実に進む少子高齢化に向けて、社会福祉法人が地域活動をサポートすることで、地域が活性化し、次世代に繋いでいくことが出来ます。今後も旭が丘地区センターを拠点として、より一層、SDGsの「働きがいも経済成長も」「人や国の不平等をなくす」「住み続けられるまちづくりを」「パートナーシップで目標を達成しよう」といった目標と地域公益活動を合わせ、誰一人取り残さない、地域共生社会の実現を目指し、世代交流の場となるよう活動していきます。

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