子ども食堂で繋ぐ地域コミュニティー

 

１　子ども食堂の運営

１）子ども食堂

少子高齢社会でのコロナ禍で、地域のコミュニティがより希薄化し、高齢者や子育て世代の孤立化が顕著に感じられる中、地域の方々が自然に繋がれる場所を作りたいと考え、子ども食堂を始めました。コロナ禍でのスタートと言うことで、最初はお弁当の形で食事をお渡ししました。その後、コロナの感染状況が一定程度落ち着いた3月から食堂形式に切り替え運営しています。

子ども食堂を運営する地域の先輩方にご指導頂きながら、毎月第三木曜日に、子ども達に旬の食材を美味しく食べてもらえるよう、スタッフ一同知恵を絞っています。半年程運営していますが、幼稚園児だったお子さんが小学生になり、子ども食堂で会ったクラスのお友達と楽しんでいる様子を見ると、思わず頬が緩んでしまいます。

友達家族とみんなでお食事中
 

2）フードパントリー

子ども食堂と同時に、フードパントリーとリユースマーケットを開催しています。フードパントリーでは、ご寄付頂いた食材等や都からの助成を用いて購入した食材を、希望された子育て世代のご家庭にお渡ししています。日持ちがし、お子さんが喜ばれる物をお渡ししたいと思い、毎月スタッフでアイデアを出し合っています。

３）リユースマーケット

リユースマーケットでは、「自分は使わないけど、使いたい人がいるかもしれない。」物をお預かりし、使いたい方にお譲りしています。誰でも無料でご参加頂ける企画で、室内用のブランコは即日お譲りする事ができました。リユース品として自分の靴を持参してくれたお子さんは、見やすい様に自分で陳列してくれていました。現在ご利用の方は主に子ども食堂に参加されている子育て世代ですが、今後は多世代でリユースできる場に発展させて行きたいと考えています。

リユースマーケット

 

２　地域菜園で作る地域住民のふれあいの場

１）菜園作り

施設の敷地内に空き地がありました。子ども食堂を立ち上げる際、その空き地で野菜を育てる事ができないか、と考えました。菜園で作った旬の野菜を子ども食堂で提供したいと思ったからです。また、菜園の手入れに地域住民に参加して頂く事で、子どもから高齢者までが自然に繋がる事ができる環境ができるのではないかと考え、ボランティアスタッフを募集しました。粘土質の土壌だったため、近隣のお米やさんや知人から頂いたもみ殻やおが屑を混ぜ耕しました。野菜栽培の経験者からアドバイスを頂き、どうにか菜園の形を作る事ができました。
 

オープン前の『西大井 地域菜園』。まだ野菜は植えていない状態

2）菜園の管理

現在、菜園の手入れは、法人スタッフと、地域住民のボランティアで行っています。LINEで情報を共有し、皆さんそれぞれのタイミングで菜園の手入れをして下さっています。

4月に近隣の保育園児と野菜の苗付けを行いましたが、その園児が家族と一緒に菜園に来てくれていました。自分が植えたナスの苗に実が付き始めているところを見て笑顔になり、その笑顔で私たちも笑顔になる事ができました。

3）子ども食堂で出た端材による腐葉土作り

次に、子ども食堂で出た生ごみで肥料が作れないか、と考え菜園の一角にコンポストを作りました。子ども食堂の端材から腐葉土を作り、その腐葉土で野菜が育ち子ども食堂で提供される。そうした循環を生み出せたら面白いと思い取り組んでいます。近隣のお米やさんから米ぬかを頂く事が出来たので、人参や玉ねぎ等の端材と混ぜ合わせ腐葉土作りに挑戦中です。

4）地域菜園から繋がるコミュニティー

現在、地域のボランティアの方々が、自身のタイミングで菜園を訪れ、雑草抜きや活力剤の散布を行って下さっています。キュウリとナスは既に実が付いており、お持ち帰りされた方もいらっしゃいます。皆さん、野菜の成長を見守って下さっています。そのような中、たまたま来園された高齢者と児童が一緒に野菜の手入れをしてくれる、そうした場になってくれると幸いだと考えています。

園児と苗付け

夏野菜生育中

子ども食堂の端材を利用したコンポスト 

 

社会福祉法人春光福祉会 特別養護老人ホームローヤルサニーホームページ（外部リンク）
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