認知症デイサービスの利用者における軽作業とふれあい
社会福祉法人揺籃会 町田わかくさ保育園
町田市にある町田わかくさ保育園では、認知症のお年寄りの方が清掃等の軽作業を業務委託として行っています。業務内容としては、砂場掘り・落ち葉掃き・廊下およびテラスのモップ掛け・窓ふき・玩具消毒など、その場でデイサービス職員の方に説明をして5名前後の方が参加しています。
令和7年2月21日掲載
法人概要
1979年4月、社会福祉法人揺籃会 「町田わかくさ保育園」として、自然豊かな町田市成瀬に開設しました。東京都の都営住宅7号棟の1階部分全てが保育園となっています。「地域のゆりかご」を理念に掲げ、地域の方々が安心して子育てや生活のできる場づくりに努め、「困っている人に手を差し伸べる」をモットーに老若男女すべての方に向けた支援を行っています。法人としては町田市内に本園を入れて認可保育所3園・小規模保育所1園を運営しており、総職員数113名で運営しています。
取組みのきっかけ
2023年8月に、朝日新聞の「認知症があってもできることはある」という内容の記事を見て、思いに共感した園から、デイサービスに詳細を問い合わせしたことがきっかけでありました。本園の理事会関係者もデイサービス事業者のことを良く知っており、電話連絡をして園の思いを伝えたところすぐに話し合いの場が持たれました。認知症の方々ができそうな業務について相談し、はじめはボランティアとして作業を数回実施。その後契約を交わし、2023年10月24日から業務委託として軽作業をお願いすることになりました。
取組み内容
毎週火曜日・水曜日の14時~15時までの1時間に、デイサービス利用者の5名前後の方々がバスで来園します。保育園で担当者を決め、デイサービスの職員とその日に行う業務を相談し実施する。
【主な業務】①砂場の砂の掘り起こし ②園庭の落ち葉掃き ③テラス・廊下の掃き拭き掃除 ④窓ふき ⑤玩具の消毒 ⑥シュレッダーかけ
その他ふれあいあそび…年長児とコマ回しやゲーム、折り紙などをしてふれあいの時間を持って年4回遊びます。
取組みの効果
ある程度決まった利用者の方と顔を合わせるので、園の職員と顔見知りになり挨拶など交わすことができます。
認知症の方々のできることを増やし、仕事として作業ができるので意欲につながっているようです。
デイサービス事業所から外へ出ることでお年寄りの良い刺激になります。
作業が保育園の午睡時間中であり、人の出入りが少ない時間帯にテラスや廊下がきれいになるので助かります。
園職員の環境整備業務が軽減されます。
子どもとのふれあいあそびでは、日頃作業をしている慣れた場所でリラックスして遊ぶことができます。
子どもたちも世代間交流を通して、お年寄りに優しく接することを学べます。
今後の展望
活動開始から1年が過ぎ、週2回のデイサービスの方の作業が当たり前になってきました。今後もデイサービス職員と当園職員との協力体制を維持しながら、デイサービス利用者の方の参加意欲を高めていけるとよいと思っています。認知症があってもできることがあり、活できる場のひとつに保育園があることを広めていきたいです。
社会福祉法人揺籃会 町田わかくさ保育園
【本園】〒194-0044 東京都町田市成瀬7-10-7
TEL:042-728-0288
【分園】〒194-0045 東京都町田市南成瀬1-8-7 成和ビル
TEL:042-850-9593
社会福祉法人揺籃会ホームページ https://m-wakakusa.net/