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地域と施設が奏でるハーモニー 障害者支援施設における地域交流スペース”tsunagari”の取り組み

社会福祉法人東京都社会福祉事業団 立川療護園 はごろもの音

立川療護園はごろもの音は、重度の身体障害をお持ちの方の支援施設です。施設内にある、地域交流スペース- tsunagari -では、地域貢献・地域交流の拠点として、様々なイベントの開催や施設の貸出などを行っています。

令和7年3月7日掲載

施設の概要

立川療護園はごろもの音は、令和5年5月に日野市から移転、新たに開設した障害者支援施設です。前身の日野療護園が、40年余りに渡って培ってきた利用者本位の支援をベースに、新たな施設でお一人お一人に快適な暮らしを提供することを目指しています。モットーは“「私らしく」いられる場所”。利用者の方々は勿論、職員や関わる人全てが、自分らしくいられるような施設づくりをしていこう、という願いが込められています。

 

地域交流スペース tsunagariについて

移転に当たり、施設内に新たに設置されたのが、この「地域交流スペース tsunagari」です。カフェのような開放的な空間にカウンターキッチンが備えられています。地域の方々と施設とが交流し、新たな価値を創出する拠点になることを願い、tsunagariという名前を付けました。立川市社会福祉協議会とも連携し、園内に設置した「tsunagari活用検討プロジェクトチーム」のメンバーで、イベントの企画・立案・運営を行っています。また、イベントがない平日は、地域の方々にスペースをレンタルする取り組みも行っています。

 

取組の内容

これまで実施してきたイベントをご紹介します♪

①ヒューマンライブラリー【令和6年2月22日(木)】

主催:立川市社会福祉協議会
ヒューマンライブラリーは、生きた人間が「本」役となり、一般の「読者」(参加者)に貸し出す、デンマーク発祥の対話型イベントです。「本」役は、生きづらさや傷付きを抱えている人や、過去にそうした体験をしたことがある人などが務めるのが、一般的なスタイルです。
この日は、過去に不登校を経験したことのある大学生が「本」役となり、参加者の前でご自身が不登校に直面していた頃の心情や、どのようにその状態から脱していったのか、といったことを語ってくださいました。

   

 

②オカリナ演奏会【令和6年6月21日(金)】

主催:立川市社会福祉協議会・オカリナサークル「コンドルの会」
園の近隣で活動しているオカリナサークルの方々が、演奏会を開いてくださいました。地域の方々や、園の利用者など20名以上の方が参加し、美しい音色で奏でられる名曲を楽しんでいました。

   

 

③講座「福祉施設の栄養士が教える バランスメニューの作り方」 【令和6年8月30日(金)】

主催:立川療護園 はごろもの音
園が主催する初めてのtsunagariイベントでした。参加してくださった地域の方々は、当園栄養士の話に、熱心に耳を傾けてらっしゃいました。また、実際に園で提供しているお食事も召し上がって頂くコーナーも設け、お食事を作る側のお話を聞くだけでなく、食べる側の体験もして頂きました。
法人内の他事業所で収穫された野菜を販売したり、イベント終了後に、館内見学ツアーも開催したりと、より深く法人・施設のことを知って頂く取り組みも併せて行いました。

   
*チラシ(クリックで拡大)


 

④講座「親なきあとを考える~自分と子どものこれから~」 【令和6年11月8日(金)】

主催:立川市社会福祉協議会・はごろも地域包括支援センター・地域あんしんセンターたちかわ
障害のある子を抱える親にとって、自身の老後は切実な問題です。この「親なきあと問題」をテーマに、市内の関係機関が集い、それぞれの立場から制度・サービスの紹介をして頂きました。地域の中でも関心が高いテーマとなっており、大変多くの方々にご参加頂きました。

   

 

⑤ボッチャ大会&マッサージ体験 【令和6年11月29日(金)】

主催:立川療護園 はごろもの音
園主催のイベント第2弾は、園内の日中活動でもよく実施しているボッチャを、地域の方も交えた交流戦方式で実施しました。また、当園利用者も利用している在宅マッサージ会社の方々にご協力頂き、無料の体験マッサージコーナーも設置。ボッチャ観戦の傍ら、至極のマッサージを体験して頂けるイベントで好評を頂きました。

   

 

⑥子ども食堂「tsunagari キッチン」【令和6年12月20日(金)】

主催:立川療護園 はごろもの音・星槎国際高等学校
市内で子ども食堂の活動を行っている高校生に協力して頂き、tsunagari初の子ども食堂を開催しました。お子様連れのご家族にご利用頂き、カレー・サラダ・フルーツヨーグルトを提供しました。食後は、高校生達が持参したボードゲームなどで子どもたちは楽しく遊び、お母さん達には一息ついて頂きました。

   

 

⑦コミュニティカフェ「つながりのわ」 【令和7年1月30日(木)・2月27日(木)】

主催:星槎国際高等学校・立川市社会福祉協議会
地域の方々が集い、交流を行える場である「コミュニティカフェ」。子ども食堂でも活躍してくれた、星槎国際高等学校の高校生が主役となって実施しました。今回は試行的な取り組みとなりましたが、今後も継続的に開催していくことが決まっています。

   

 

取り組みの効果

これらの取り組みを通じて得られた効果は、大きく3点あります。
1つは、地域住民同士の繋がりの場を創ることが出来たことです。これまで様々なイベントや講座などに参加してくださった方々の中には、ご自身と同じような関心や困り事がある他の参加者と、積極的に交流をされている方がいらっしゃいました。また、市の社会福祉協議会に所属する地域福祉コーディネーターの方々が、そうした交流をサポートしてくださっている側面もあります。tsunagariの名前の通り、様々な繋がりを創出することが出来ました。
2点目は、地域の方々に当園のことを知って頂く機会を創ることが出来たことです。地域の中に社会福祉施設があったとしても、何かきっかけがなければ中に足を踏み入れることはないと思います。イベントなどの際に見学会も併せて実施することで、当園のことをより深く知って頂くことが出来ました。
最後に3点目は、地域の方々と当園利用者との接点を創ることが出来たことです。当園に入居されている方の中には、ご自身で車椅子を自走され、地域に買い物などにお出掛けされる方もいらっしゃいます。そうした方にとって、近隣の方と顔の見える関係性になることは、安心感に繋がります。また、なかなか外出する機会がない方にとっても、地域の方々との交流は良い刺激になる為、こうした機会を定期的に作ることが重要だと考えています。

 

今後の展望

tsunagariの活用を検討している中で、市の社会福祉協議会や地域の高校生と繋がり、様々な企画を実施出来たことで、地域の方々とも繋がることが出来ました。今後は、これまで行ってきたボッチャ大会や子ども食堂などをより改良して実施すると共に、孤立の問題にもアプローチしていきたいと思います。
また福祉施設としての役割として、市内の社会福祉法人が参画している「ふくしネットたちかわ」での施設間での連携や取り組みを通じ、地域における引きこもり対策支援にも取り組んでいければと考えています。
立川療護園はごろもの音も、地域交流スペースtsunagariも、まだその歩みを始めたばかりです。園の運営理念にもあるように、「地域の誰にでも、いつでも、どこでも、いつまでも」貢献出来るよう、これからも地域の方々のニーズに寄り添いながら、様々な取り組みを考えていきたいと思います。

社会福祉法人 東京都社会福祉事業団
立川療護園 はごろもの音

〒190-0021 東京都立川市羽衣町2-63-3
電話 042-512-7401
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