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東京都社会福祉協議会

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更生施設と宿所提供施設を訪問しました

平成29年5月30日、更生福祉部会施設長会が開催され、その後、部会の方々とともに、会議の場を提供してくださった板橋区内の施設を見学させていただきました。

更生福祉部会では、更生関係施設(更生施設、宿泊所、宿所提供施設、自立支援センター、授産施設等)のみなさんが、各施設の機能を向上させるための協議や調査研究、職員の資質向上に向けた研修等の活動を行っています。「男子単身入所型施設分科会」「女性単身・家族入所型施設分科会」「通所型施設分科会」の3つの分科会でもそれぞれ意見交換を行っています。

施設長会では、利用者の定員割れの状況、精神疾患を抱える利用者が増えており病院へ移る方もあること、利用者層が変化しており救護施設の利用者に近くなっている状況などの報告がありました。

施設長会の様子
更生福祉部会施設長会の様子

また、自立退所ではなく、無断退所される方もあり、その対応についての情報交換もありました。その他にも、出身地に帰省するための退所など東京ならではの状況もあるそうです。今後、全国組織とともに実態調査を行い、昭和56年から変わっていない職員配置基準の見直しなどを提言していく事を考えています。

施設見学会では、更生施設(女性単身者向け)と、宿所提供施設(母子世帯向け)が併設された施設を2グループに分かれて見学しました。見学させていただいた施設は、外観からは小規模なマンションの印象で、部屋も日当たりや風通しがよく、中庭の緑も清々しく感じられるところでした。

宿所提供施設は2DKの家族用の部屋を見学しました。一番広い部屋は3DKだそうです。配偶者やパートナーからの暴力(DV)が原因で利用する方が7~8割で、家賃滞納により居所なし状態での利用者などもいるため、電化製品は部屋に備えつけられています。子どもが遊ぶためのキッズスペースもあります。利用期間は、基本的に半年です。ここ数年の状況では、利用世帯数はほぼ変わっていませんが子どもの数が減っていることから、やはり定員割れの状況があるとのことでした。

キッズスペース
宿所提供施設。キッズスペース。キッチンのおもちゃはIHヒーターです。

入所した利用者さんは、まずは体を休めます。そして、福祉事務所もかかわりながら離婚手続きなど必要な手続きを行い、地域のアパートなどへ引っ越していきます。今回見学させていただいた宿所提供施設は更生施設が併設され夜間も職員がいるためか、児童相談所のかかわりの中で、児童養護施設で暮らす子どもと母が共に暮らしていくための「母子統合」の場になることもあるそうです。

職員は、子ども家庭支援センター、福祉事務所、婦人相談員、児童相談所など、さまざまな機関と連携しながら利用者所の最善を考えてかかわっています。地域に住み始めてからも、更生施設通所事業を利用する方もいるそうです。

キッチン
宿所提供施設2DKのお部屋。
配偶者からの暴力や居所なしで利用につながる方もいるので基本的な電化製品は備え付けられています。

和室

宿所提供施設2DKのお部屋。和室。
テレビもあります。

洋室

宿所提供施設2DKのお部屋。洋室。
子どもと母親が家族で利用するイメージです。

 

 

 

 

 

洗面所・浴室
宿所提供施設2DKのお部屋。
洗濯機も備え付けられています。

更生施設は、個室が中心ですが4人部屋もあります。部屋は、収納付のベッドと鍵のかかる引出もあるクローゼットがあります。トイレやお風呂、食堂は共同です。利用期間はおよそ1年間です。

居室
更生施設。
収納付のベッドの他に、壁面のクローゼット(鍵のかかる引出しつき)があります。

その他に、談話室にはハート模様の椅子や飾りなど女性を意識した工夫があり、心理療法を行う和室には茶具があるなど、利用者が安心して体と心を休められ、次のステップにすすんでいくための環境づくりもされていました。

食堂
更生施設の食堂。
食事の他、お風呂やトイレ、洗濯などは共有のスペースです。

椅子(背もたれにハート形のくり抜き)
更生施設の談話室の椅子。
女性向けの施設ということもあり、随所に心なごむ装飾や飾りなどがされていました。

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