地域共生社会の実現に向け、“オール東京の社会福祉法人” による地域公益活動を推進します。

東京都地域公益活動推進協議会

ホーム > 地域の連携による取組み > 日野市 > 日野市民でつくる防災・減災シンポジウム2018

このページをプリントします

日野市民でつくる防災・減災シンポジウム2018

日野市内社会福祉法人ネットワーク

自治会や自主防災組織、福祉施設(社会福祉法人)、福祉団体、関係機関、大学など様々な立場の方が実行委員を構成し、地域全体で防災減災について考えるシンポジウムを開催しました。このシンポジウムを通じて、地域防災のネットワークづくりの機会としています。

平成30年10月10日掲載

事業名 「日野市民でつくる防災・減災シンポジウム」

主催 日野市民でつくる防災・減災シンポジウム実行委員会2018

共催 日野市、みんなでつくる日野の防災プロジェクト、日野市内社会福祉法人ネットワーク・日野市社会福祉協議会、日野市ボランティア・センター

協力 日野市障害者関係団体連絡協議会、日野市教育委員会、実践女子大学

多くの参加者にご来場いただきました!

 

経緯

「日野市民でつくる防災・減災シンポジウム」は、「みんなでつくる日野の防災プロジェクト(災害ボランティアセンター運営委員会)」により平成27年度から始まりました。第1回は同防災プロジェクトが主催しましたが、2回目以降は自治会や自主防災組織、福祉関係者、学生等から実行委員を募り、企画運営を行ってきました。

4回目を迎える今回は、地域防災のネットワークづくりの一環として、保育・高齢・障害各分野の社会福祉法人から実行委員として参加し、40人近くの実行委員会で、「避難所運営」「自助・共助」「災害時要配慮者」「水害」の4つのテーマについて協議を重ね、シンポジウムを実施しました。

 

活動内容

平成30年8月5日(日)「日野市民でつくる防災・減災シンポジウム」を実践女子大学を会場に開催しました。

第一部基調講演では、熊本地震(平成28年4月)で「理想の避難所」を運営された吉村静代さん(益城だいすきプロジェクト・きままに代表)に講演いただきました。吉村さんは多くの町内の住民の方々と益城中央小学校体育館に避難しました。見知らぬ人同士が集う避難所では、避難者の心身に大きな負担がかかるため、ストレス軽減のために、気軽にお茶を飲めるコミュニティカフェなどをつくられたといったお話を伺いました。「できるひとが、できることを、できたしこ(=できた分だけ)」とお話された吉村さんの言葉が強く心に響きます。

第二部分科会では、実行委員により企画された「避難所運営」「自助・共助」「災害時要配慮者」「水害」の4つのテーマに分かれて事例紹介や情報交換を行いました。

 

第1分科会 「みんなが主役の避難所運営~誰もができる運営をめざして~」

日野市防災安全課から備蓄状況や組織体制についての説明のあと、「施設管理班」「食料物資班」「生活健康班」「衛生班」の4班に分かれグループワークを行いました。自分たちの生活は自分たちで守る!という参加者の皆様の熱い想いがひしひしと伝わってくる分科会でした。

避難所運営 管理・食料物資・衛生・健康等に分かれて討議

 

第2分科会 「自助・共助~ひとりでいたらどうするの?~」

防災教育普及協会事務局長の宮﨑賢哉氏を迎え、講演とワークを通し、災害時確保すべきこととして、①トイレに行く②食事と水分補給③休憩と睡眠、④大災害に備える被害想定のイメージすることについて学びました。普段できていないことは災害時にもできない、普段できることが災害時にできる!という災害時支援活動の教訓が印象に残ります。

普段していないことは被災時にはできない!と語る宮崎氏

 

第3分科会 「地域の災害時要配慮者とつながろう!~つながるために今できること~」

地域のつながりを通じて防災活動に取り組む自治会や障害者施設「社会福祉法人東京光の家」事例発表のあと、要配慮者とも日頃からつながるために「あなたが今日からできることは何か?」を考え、各グループワークには障害のある方々に加わり話しあい、最後に皆さんの「行動宣言」を発表していただきました。

つながるために今日からできることあなたの行動宣言!

 

第4分科会 「ゲリラ豪雨時における災害シミュレーションと避難について」

「水害・土砂災害」というテーマのもと、国土交通省職員や気象情報会社の方から、「災害時の情報収集方法や自分の身を守る方法」などお話いただいた後、DIG(災害図上訓練)を行いました。災害時の避難方法などグループで話し合いながらシミュレーションし、参加者同志で日頃の生活の中で気をつけていくことを考えました。

災害図上訓練DIG 自分の地域の課題を地図上で確認しました。

 

このシンポジウム開催にあたり、4月28日(キックオフ会議)から8月27日(反省会)までの4ヶ月に亘り合計8回の実行委員会を開催しています。シンポジウム当日での「学び」はもとより、実行委員会で様々な意見交換を重ね、実行委員同士の地域の防災ネットワークが育まれていることも重要と考えています。今回そのネットワークに社会福祉法人のネットワークとして関わり、地域の関係者と共に行動したことは大きな成果だと考えています。

福祉施設を運営する社会福祉法人では、「BCP評価・策定」をはじめ、「利用者(要配慮者)への対応」「福祉避難所の運営」など災害時に想定される課題を多数抱えています。こうした機会を通じて、災害対策について連携・協力する機会を増やしていきたいと考えています。