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「みんなのカフェ メリ・メロ」6年間のあゆみ 〜地域のオアシスを目指して〜

社会福祉法人松栄福祉会 羽村まつの木保育園

保育園を飛び出し、地域の中で、子育て支援や世代間交流の場の普及を目指し、誰もが気軽に立ち寄ることのできる「集える場」作りを目的として始まった活動。立ち上げ当初より保育士・管理栄養士・介護福祉士がチームを組み、幅広い世代に向けた支援を行えるよう様々な取り組みをおこなっています。

令和5年8月16日掲載

 

法人概要

社会福祉法人松栄福祉会は昭和54年、国の認可を受け羽村まつの木保育園を設立しました。現在は本園と姉妹園であるまつぼっくり保育園の2つの認可保育園と、「みんなのカフェ メリ・メロ」の運営をおこなっています。

 

カフェの始まり

根底には地域の中で40年間支えてもらってきた本園が、地域のためにどのような恩返しが出来るかと考え始めたことがあります。統括園長の発案で始まった事業でしたが、保育士として園内で働いている職員には、どこか他人事のような話に聞こえていました。もちろんカフェの経営ノウハウもなく、素人ばかり。どのように地域の中に飛び出せば良いか、想像もつかなかったことを覚えています。また、カフェの名前の「メリ・メロ」はフランス語で「ごちゃまぜ」という意味があり、まさに統括園長が目指している「地域の中で誰もが関わりを持てる場にしていきたい!」という思いが込められています。


↑「メリ・メロ」店内の様子。皆でアイデアを出し合った造りで、赤ちゃんからお年寄り、車椅子の方にも対応可能。

 

取り組み内容

◆チーム結成

本格的にカフェの話が進む中、園内でカフェの運営スタッフを決め、保育士6名・管理栄養士3名・介護福祉士1名・事務職員1名でチームを結成しました。本園以外にも外部から建築家・設計士・病院看護師・健康コンサルタント等の専門家を招き、各々の専門分野を活かした意見交換を行ないました。また、せっかくなので職員の得意分野を発揮していこうということになり、イラストやデザインの担当職員、イベント開催担当の職員、相談業務を行う職員など得意分野で能力を発揮しながらカフェの運営が始まりました。

簡単に今まで「メリ・メロ」で行ってきた取り組みをご紹介します。

 

◆保育士による取り組み

育児相談・誕生会・お話し会・保育園見学ツアー・ベビーマッサージ・体験保育・親子参加型イベント・保育冊子の配布・保育付きイベントの開催・年長組ランチ会・卒園児ランチ会・季節のイベントの開催等


↑「メリ・メロ」店内にて、保育士によるお話し会。
 月に一度、保育士が地域の親子を対象に絵本や紙芝居などを読み聞かせする時間を設けています。

 

◆管理栄養士による取り組み

栄養相談・健康相談・食育講座の開催・栄養イベントの開催・栄養冊子の配布・独り暮らしの高齢者ランチ会・健康促進サポート・高齢者に向けた低価格弁当の提供・コロナ禍の夕食支援弁当の提供 等

↑管理栄養士監修ワンコインランチ
カロリーはもちろん、たんぱく質や塩分も計算。
メニューは肉・魚は日替わりで、焼きカレーは
毎日提供しています。

↑テイクアウトメニュー
値段は400円。70歳以上は300円で提供。
店内と同じメニューをテイクアウトできるので、
高齢者の方を中心に大人気です。

 

↑大人気のスイーツメニュー
ワッフルは350円で提供。このほかにも、手作り
プリンやシフォンケーキ、あんみつなども提供。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆看護師・介護福祉士による取り組み

健康相談・介護予防体操イベントの開催・高齢者ランチ会の開催 等

全体としては、年に数回の縁日(「メリメロ祭り」と称して地域のハンドメイド作家さん達の作品を販売)を開催しながら、地域世代間交流の場や、障害をお持ちの方の就労支援の場も提供しています。また、過去には地域のお祭りへの出店も経験しています。


↑「メリメロ祭り」にて、スタッフと地域ハンドメイド作家の皆様


 

取り組みの効果

6年間の間に様々なメディアに取り上げて頂き、地域だけでなく多くの方に取り組みを知って頂くことが出来ました。コロナ前、コロナ禍、コロナ後の時代と共に過ごす中で地域での役割も様々でした。今ではお店のSNSを見て遠方からのお客様も増えています。また、「メリメロの食事を続けていたら、持病の検査結果が改善された」「子どもと出掛けられる場所が増えた」「ママ友が増えた」「人と会話しながら食事をする時間が増えて、食欲が出た」「笑う時間が増えた」など、現場には日々お客様からの嬉しい声が届いています。
「メリメロ祭り」では「メリ・メロ」に300名近くのお客様が訪れ、地域のハンドメイド作家さんや地元の個人商店などの品物を見ながら交流が生まれ、地域世代間交流の輪が広がっている事を実感しています。また、スタッフにも心境の変化が見られています。今までは園内だけに目が向いていましたが、「メリ・メロ」に関わるようになり地域の子育て事情や福祉に目が向き、そのことについてスタッフ同士が話をする時間が増えたと感じています。職員にとってもカフェの今後について語らう時間は有意義なもので、ポジティブな会話が増えたことによりスタッフ同士の連携がスムーズになっていると感じています。

▶過去の掲載記事「コロナ禍の『みんなのカフェ メリ・メロ』」(令和2年10月2日掲載)
 

 

今後の展望

スタッフとして「メリ・メロ」のさらなる可能性を感じています。

市内中学生の職場体験の場としての提供

保育実習生の実習体験の場としての提供

外部講師を招いての育児講座の開催

2号店の構想(・・こちらはまだまだ未定ですが・・)

保育園を飛び出し、地域の中でスタートした「みんなのカフェ メリ・メロ」での6年間。園の中だけにいてはわからなかった地域の実情を知りました。育児困難家庭の増加や、世代間交流の場の減少、朝食を食べない小学生の増加、独り暮らしの高齢者の増加など問題は様々です。その中で私たちは社会福祉法人の職員として何が出来るのか。今後も地域の中で「保育園」や「みんなのカフェ メリ・メロ」が地域コミュニティーの拠点であり続けるため、考え続けていかなければならないと思っています。

 

↑イラストやデザインが得意な職員が
アイデアを出し合って手作りした
メリ・メロのチラシです。
(*クリックで拡大します)

↑メリ・メロのメニュー。季節に
よって特別メニューも登場します!
(*クリックで拡大します)

 

 


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