TOMONI - みんなでつながる文化交流
社会福祉法人つぼみ会 LIFE SCHOOL 桐ケ丘こどものもり
つぼみ会では、地域住民、子どもたち、外国人住民が一緒に参加し、食文化や伝統、遊びを通じて異文化理解を深めています。また、ワークショップや交流会を通じて、互いの文化や価値観を尊重し、地域の絆を強める活動にも取り組んでいます。
【令和6年度地域課題に取り組むための助成事業 助成法人】
令和7年3月13日掲載
*この取組みには、当協議会が実施する「令和6年度地域課題に取り組むための助成事業」にて、活動経費の一部を助成させていただきました。
国際色豊かな地域と園
東京都北区、JR赤羽駅から徒歩15分ほどのこの地域には、東京23区内ということを感じさせないような大きな公園もあり、この地域で子育てをするご家庭も多くいます。それと同時にこの地域の大半は都営住宅で、地域の多国籍化が加速しています。当園は在籍園児105名の内23名が外国にルーツのある子どもたちで、その割合は約20%と北区内でも高い数値となっています。なかでもバングラデシュやネパールなど南アジア諸国にルーツのあるかたが多くいます。外国にルーツのある子どもたちを預かるにあたって、文化や言語はもちろん、宗教という点においても配慮が必要です。23名の外国にルーツがある子どものうち15名がムスリムのご家庭で、その方がたにとって日本での食事は神経質なものとなります。酒類や豚肉など、イスラム教では食べることが許されていない食材や調味料が日本では一般的に使用されているからです。そのため当園では、調理室のハラル認証を取得し、ハラルフードの給食を提供しています。ハラルとはイスラム教の教えにおいて「許された」という意味のアラビア語であり、ハラル認証を取得するということはムスリムの方がたにとって口にしても安心安全であるということを意味しています。こうしたさまざまな文化的、宗教的な背景のある子どもたちを受け入れる体制を整備することで保護者も園運営に対して非常に好意的で協力的な関係を結ぶことができています。
取り組みが進む中で見えてきた課題
地域にお住まいの外国人の困りごとを解決するということで始まった“TOMONI”の活動ですが、支える側と支えられる側の立場が固定されてしまうと、お互いの立場や視点を理解する機会が減少してしまうという課題が見えてきました。支援を受ける人々は、支える側から見た自分の姿をどう感じているか、またどのような背景を持っているかが十分に理解されないことがあります。支える側も意識しなければ、外国の方々がどうしたら自分らしく暮らせるかということではなく、日本人にとって良いように過ごしてくれるかという方向に支援が向かいがちでした。そうした相互理解を欠いた活動になってはいけないということで、定期的にミーティングや振り返りを設けて、誰もが自分らしく暮らせるよう社会を目指すことを意識しました。
地域の注目が高まる
活動を続ける中で、地域の中で活動の認知度が高まり、地域の外国人コミュニティのリーダー的存在の方や、当法人の職員が、自治会主催のイベントや大学等で講演させていただく機会をもらっています。また、自治会が視察に来たりと、各所でこの活動の意味や目的を広める機会にも恵まれました。世の中においての「多文化共生」という問題への意識の向上もあるが、当地域においては年齢層関係なくその意識が向上したように感じています。
▼前回の記事(令和5年6月26日掲載)
認可保育園が「地域の国際化」へ貢献 ~地域支援活動団体「TOMONI」~
社会福祉法人つぼみ会 LIFE SCHOOL 桐ケ丘こどものもり
〒115-0054 東京都北区桐ケ丘1-7-17
TEL:03-5948-8280
LIFESCHOOL桐ヶ丘こどものもりホームページ